いわきに「夜明け市場」が誕生しました! | のかたあきこの聞き書き、町、人、温泉!

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 聞き書きと本づくり。町と人と温泉めぐりの旅をつづっていきます。

案内状が届きました。

「鈴木です!夜明け市場を構想してから七か月。。。
沢山の方たちに応援して頂いた夜明け市場が遂に11月4日にオープンを迎えます。
場所探しから始まり、沢山の方たちにアドバイスを頂き、少しずつ、少しずつ形になっていった夜明け市場。
被災しお店が全壊はしたが、諦めることなくもう一度頑張りたい。
東北、福島、そしていわきを元気にしたい。
そんな思いが一同に集結すれば、出来ることが必ずある。
諦めなければ必ず【夜は明ける】そう信じる店主たち、夜明け市場の挑戦が始まります! 」


鈴木さんのことは、以前このブログで少しご紹介しました。

夜明け市場への思いを聞いていたので、オープンのお祝いに出かけました。


いわき駅に降り立つと、その近代的な雰囲気にいつも驚いてしまいます。震災なんて何もなかったかのように整然とした街並みがあります。けれど車で数十分走ると、勿来や富岡をはじめ、沿岸部の町は大変な津波被害で、人、もの、家、思い出、生活すべてをのみこんでしまいました。

夜明け市場に店を出した店主、スタッフ、開店祝いに駆けつけたお客さんの多くは、その被害に遭われた方でした。


「家も両親も失った。津波に、すべて根こそぎもっていかれた。でも店の再開を諦めなかった。生きるって理屈じゃない。多くを失った自分達も出来る、という見本になりたい。新しい店には瓦礫となってしまった建材を使いたい。12月上旬にグランドオープンします」

「父は、隣のお婆さんを助けようとして津波にのまれた。泳げないくせに人助けを。唯一よかったのは、津波の翌日に父の遺体が見つかったこと。母は震災後、ストレスで不安定になった。俺はいわきで店を始めるために都会から戻ってきていたけど、全て流された。瓦礫の中から自分のバイクが発見され、東京の仲間がそのバイクを無償で修理してくれた。これくらいしか手伝えないから、と」

「前職はフォトグラファー。震災後は居酒屋でアルバイトをはじめた。夜明け市場の話を聞いて、やってみないかと言ってくださる人の応援が嬉しくて店をはじめた。集まって食べて語り合う、そんな場にしたい。いわきを元気にしたい」

「地元で大正時代から続く酒屋。元気のなかった通りに、こうして明かりがともり、人が集まるのは本当にうれしい。今日は息子を連れてきた。震災の日は店の商品が割れて散乱して、その片付けに追われたけど、とにかく地域のみなさんのために水と物資を確保するために走り回った。昔から付き合いのある仲間が車で届けてくれた。震災当日もそれからも、店を24時間開け続けた」

「震災前から福島が好き、福島の山が好き、人が好き。震災後の4月、東京からいわきに移住することを決めた。夜明け市場の力になりたい」


夜明け市場で過ごした数時間、、、いわきの皆さん、そして応援する福島の皆さんとお話しできてよかった。

伝えられていないことはいっぱいで、問題は山積みで、それでも前を向き、自分達が復興の、何かの見本、光になろうと頑張っておられます。
またみなさんに会いに、夜明け市場に行こうと思います。


夜明け市場=いわき駅から徒歩3分、ポレポレいわきそば。