26-3 町衆の生活と庶民文化

 

平和の到来は、都市の富裕な町衆(ちょうしゅう)文化の担い手へと成長させ、民衆のもつエネルギーを解放する効果も発揮した。

 

 茶道(さどう)

堺の町人千利休(さどう)侘茶(わびちゃ)を大成した。

 

茶の湯(ちゃのゆ)にみられる極小の茶室や簡素な茶器は、閑寂さを深く追求した利休独特の美意識の結晶であると同時に、桃山文化の一面を象徴的に示している

 

 かぶき踊り

かぶき踊りとは、異様な姿をした者(「かぶき者」)の踊りのこと。

17世紀初めに出雲阿国(いずものおくに)が京都でかぶき踊りをはじめて人気を集めた(阿国歌舞伎(おくにかぶき))。

 

 人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)

三味線(しゃみせん)を伴奏楽器とする語り物(浄瑠璃)に操り人形が結合した人形浄瑠璃が成立し、流行した。

 

 生活

女性の衣服は小袖(こそで)(袖口が小さい和服)の着流し(袴(はかま)などを身につけない)スタイルが一般的になり、また、食事は朝夕2食から3食へと変化した。

 

26-4 外来文化の影響

 

朝鮮侵略や南蛮貿易(なんばんぼうえき)の影響は、文化面にもおよんだ。

 

 活字印刷術(かつじいんさつじゅつ)

朝鮮侵略の際に朝鮮から活字印刷術が伝えられた。

 

また、ヴァリニャーニが金属製の活字による活字印刷機を伝え、ローマ字による書籍も刊行された(キリシタン版天草版(あまくさばん))。

ただし、いずれも江戸時代には廃(すた)れていく

 

 

 南蛮文化

宣教師たちによって天文学・医学・地理学など実用的な学問が伝えられ、日本人の手によって西洋画の影響を受けた南蛮屏風(なんばんびょうぶ)も描かれた。

 

南蛮人渡来図(狩野内膳(かのうないぜん)、神戸市立博物館蔵)