*問題は、「早慶大受験・正誤判定新研究106(問56)」で確認してください。
問56 正解は➋。
問われているのは北山文化(→➋)であるのに対して、➊は鎌倉文化、➌は東山文化、➍は戦国期の文化についての説明になっている。
中世の文化に関する事項が時代順に並び、またすべて正しい文章なので、文章➊~➍は知識の再確認にも役立つ。
ここでは、➊と➌に登場する有職故実書(ゆうそくこじつしょ)について整理しておこう。
【代表的な有職故実書】
■『江家次第』(ごうけしだい)
著者の大江匡房(まさふさ)(1041~1111)は、後三条天皇に登用され、記録荘園券契所の寄人などを務めた。
■『禁秘抄』(→➊)
著者は、父である後鳥羽上皇とともに討幕計画を進め、承久の乱後に佐渡に流された順徳上皇(1197~1242)。
執筆したのは天皇時代(1210~1221)のことで、そこには、朝廷の権威を幕府に示す意図もあったと考えられる。
■『建武年中行事』
著者は、建武の新政をおこなった後醍醐天皇(1288~1339)。
■『職原抄』
著者は、南朝側に立ち、『神皇正統記』(1339)を著したことで知られる北畠親房(1293~1354)。
■『公事根源』(→➌)
著者は、➌にあるとおり一条兼良。
兼良については、「早慶大受験・正誤判定新研究105(問55を考える)」でも触れている。