*以下の文章は2016年10月初旬に掲載したものです。
再掲載するにあたり、あちこち微修正しました。
受験生の皆さん。
少しずつ少しずつ勝負の時が迫ってきています。
緊張するね。
ただしばしば、この時期には、何だか妙に生暖かい風が強まることもあります。
「現実的に考えてさ」とか「ここなら確実だよ」とか「人生は受験だけじゃない」とか……。
こうした、わかったようなふりをした、あるいは善意だと錯覚してしまうような悪魔のささやきに、決して身をゆだねてはいけません。
その瞬間に勝負は終わってしまうからです。
もう少しわかりやすくいうと、実力が急激に向上・変貌していく受験後半期から直前期になって安住の地を求めたら、当たり前のことだけれど、その受験生の力は相対的かつ急速に低下していくだけなのです。
いうまでもなく、人間は厳しい環境に長くは適応できない動物です。
でも、数カ月なら耐えられる。
「善意のふりをした悪魔」に、「また一人落伍したな」と冷笑されてはいけません。
強い気持ちで一心不乱に勉強してください。
それでも、やっぱり弱気になってしまったら、どうすればいい?
確かに勝負の世界とは最後まで何が起こるかわからないところで、もしかすると、花と散ることもあるかもしれない。
でも、たとえわずかに及ばなくても少しも恥ずかしいことじゃないし、奮闘の精神も、身に着けた学力も必ず役に立ちます。
何より、見事な逆転劇は、チャレンジングな受験生だけに与えられた特権です。
これを放棄するのは、後半戦も佳境にさしかかると、決まって全員がボールを追わなくなる“ヘタレ”サッカーチームと同じ。
10代後半という時期に、わざわざ受験の世界を選択した意味がなくなってしまいます。