6-7 律令制下の農民負担

 

口分田(くぶんでん)を班給(はんきゅう)された農民は、これによって最低生活を保障されたはずだったが、実際には、調(ちょう)(よう)雑徭(ぞうよう)などの負担に苦しんだ。

農民負担の主要な内容は以下のようになる。

 

 調

主に正丁(せいてい)(21~60歳の成人男性)を対象とした人頭税(じんとうぜい)

麻布(あさぬの)2丈(じょう)6尺(しゃく)をはじめとして地域の特産物を納める(中央財源)。

 

 

主に正丁を対象とした人頭税。

都での年10日の労役(ろうえき)歳役(さいえき))にかえて麻布2丈6尺を納める(中央財源)。

 

 (そ)

口分田など田地を対象とした土地税。

収穫の3%程度を稲で納める。

人頭税とは性格が異なり、また負担は軽く積極的な財政機能(ざいせいきのう)も果たしてはいなかった(地方財源)。

 

 雑徭

主に正丁を対象とした人頭税。

年60日以内、国司のもとで土木事業(どぼくじぎょう)などに従事(じゅうじ)する(地方財源)。

 

 公出挙(くすいこ)

貸しつけられた稲の利息(りそく)(利稲(りとう))を納める(地方財源)。

 

 兵役(へいえき)

成年男性の約3分の1を各地の軍団(ぐんだん)に配属(はいぞく)

軍団兵士から、防人(さきもり)(→九州の防衛)・衛士(えじ)(→都の警備)を選抜(せんばつ)した。

 

 運脚(うんきゃく)

調・庸を各地方から都へ徒歩(とほ)で運搬(うんぱん)する負担をいう。

 

公民の税負担