6-4 律令制 行政機構
律令制下における中央・地方の行政機構(ぎょうせいきこう)は、以下のような特色をもつものだった。
➊ 中央組織
中央官庁として神祇官(じんぎかん)(「祇」の字に注意)と太政官(だいじょうかん)(国政の中心)があり、太政官のもとに八省(はっしょう)(中務省(なかつかさしょう)・式部省(しきぶしょう)など)がおかれた。
➋ 地方組織
国―郡―里(こく―ぐん―り)の3層構造をもつ地方制度をとり、それぞれ国司(こくし)(中央貴族を派遣、任期制)、郡司(ぐんじ)(かつての国造(くにのみやつこ)など地方豪族を任命、終身官(しゅうしんかん)・世襲制(せしゅうせい))、里長(りちょう)をおいて統治した。
なお、律令制下における諸国の役所を国府(こくふ)といい、のちになると国衙(こくが)の呼称が一般化した。
➌ 大宰府(だざいふ)(「大」の字に注意)
外交・国防上の要地である筑紫(つくし)におかれた地方特別官庁。
西海道(さいかいどう)諸国(九州地方)の軍事・行政を統括(とうかつ)した。
➍ 四等官(しとうかん)
中央・地方の諸官庁は、長官(かみ)・次官(すけ)・判官(じょう)・主典(さかん)の4段階に序列化された官職をもつ役人中心に構成された。
この四等官は、役職ごとに用いる漢字が異なり、たとえば国司の四等官は,守(かみ)・介(すけ)・掾(じょう)・目(さかん)になっていた。
➎ 官位相当制(かんいそうとうせい)
正三位(しょうさんみ)の位階(いかい)をもつ者が大納言(だいなごん)になるなど、役人には、位階に相当する官職を与える原則がとられた。
【律令官制】