1-2 旧石器時代
地質学上、更新世に属する数十万年前から約1万年余り前までの期間、人類はまだ打ち欠いただけの打製石器を用いていたため、この時代は、歴史学および考古学上、旧石器時代と呼ばれている。
日本には旧石器の遺跡は存在しないと考えられていたが、1946年に相沢忠洋(ただひろ)が群馬県岩宿(いわじゅく)の関東ローム層から打製石器を発見し、これによって、1949年には日本における旧石器時代の文化の存在が明らかになった(岩宿遺跡)。
➊ 旧石器時代の生活
狩猟(しゅりょう)・採取の生活。人々は食料資源(マンモス・オオツノジカ・ナウマンゾウなどの大型動物)を求めて移動した。
➋ 旧石器時代の住居
移動に適したテント式の小屋。山中の洞穴(どうけつ)も利用された。
➌ 旧石器時代の石器
打製石器は、まずハンドアックス(握槌(にぎりつち)・握斧(にぎりおの))が用いられ、やがて多様化してナイフ型石器や尖頭器(せんとうき)(槍先に使用)が一般化。
旧石器時代末期には細石器(さいせっき)(木や骨の軸の側縁(そくえん)に装着する組合せ式石器)が登場した。
【旧石器時代の石器】
(『詳説日本史B』山川出版社)