「初めて見ました」
こんにちは。
歯を残す生涯のかかりつけ医 野地美千代です。
歯科医16年、神田小川町に開業13年のキャリアから、お子様をむし歯にしないお母さまのためのブログを書いております。
先日、虫歯予防をテーマにした番組に、大学の同級生か出演されておりました。
母校のう蝕制御学講座の助教だそうで、同級生の雄姿を頼もしく思いました
。

さて、番組では様々な症状と、それに対する治療法が紹介されておりましたが、その中で、司会の女性が放った言葉が印象的でした。
「これ、初めて見ました」
このかたが、初めて見たもの、それは、
ラバーダム
根の治療の際に、唾液中にいる菌を入れないためにとても重要なものです。
また、接着が必要な処置の際に、口腔内の湿潤環境から患歯を孤立させるために用いたりもします。
日常診療で、ラバーダムが欠かせない場面は、結構あります。
当院では、当たり前の手順として、患者さんの要件によほどの理由がない限り、必ず使用しております。
しかし、この処置、残念ながら現状では保険点数がつかず、歯科医院の親切心だけで成り立っています。
心ある先生ならば、使って当たり前と思いますが、、用いない歯科医院があるのも現実です。
司会の女性が「初めて見た」のも、無理からぬことかもしれません。
患者さんからは見えにくいところですが、こういう細かな配慮が、歯科治療には、もう本当に、様々あるのです。
「歯科医師になるために6年間学び国家資格を得た人が行う治療だから、どこの歯科医院でも出来ることでしょう?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、違います。
私達の誠意が、患者さんに伝わるといいな。
そんなことをふと考えながら、そのテレビを見ておりました。
今日もお読みくださり、ありがとうございました。