5月17日(金)晴れ

 

田植は5月15日中心に

 富山県とJAがコメの品質を向上させるため田植え時期を遅らせるよう県内農家に呼びかける中、現在八尾町各地域の田んぼでは田植えが盛んに行われている。八尾町杉原地区では、従来の慣行田植いわゆる苗移植がかなり少なくなった。カルパーコーティング、V溝乾田直播、鉄コーティング湛水直播などの直播がかなりの面積を占めるようになりつつある。

 

 (農)ふかだんは、中山間地のいびつな田や、小さな棚田などが多いので、すべてV溝乾田直播とは出来ず、鉄コーティング直播と苗移植も行いカバーしている。4月下旬から直播をすると、発芽するのが5月15日以降位になるので、苗移植の田植を5月15日中心にと合致する。

 

 直播を導入しているのは、働き手がいないことをカバーするためであるとともに、高齢化する中、田植作業の軽労化、効率化が大きな理由でもある。直播は、苗作りが不要である。棚モミをカルパーコーティングするか、鉄コーティングするか、忌避剤コーティングするかで済む。極論だが、オペレーター一人でも田植(播種)は可能である。

 

 一方、苗移植の場合は、①箱を消毒し、➁種モミを浸種10~15度で、積算温度100度を確保、③苗箱に培土を詰め播種そして覆土、④スチーム芽出しを行った後、⑤育苗ハウスへ搬入。⑥その後水やりや通風などの健病管理、そして、⑦田植時それなりに重い苗箱を水田に運び、⑧田植機に補給していく、⑨田植え後苗箱の回収、⑩苗箱を洗浄し片付けという工程になる。少なくとも田植を効率的に行うには、最低4人(苗搬送2人・苗補給1人・田植オペレーター1人)は必要になる。苗箱を圃場に運ぶ作業と田植機に苗を補給するのは結構重労働なのである。

 

 県によると、去年の県産コシヒカリの1等比率は48パーセントと過去最低を記録し、猛暑が大きく影響したとみている。これを受け県とJAは、コメの品質に一番深くかかわる稲の穂が出る時期を、最も暑い7月を避けて8月になるよう、ゴールデンウィーク明けのこの時期に田植えを遅らせるよう県内農家に呼びかけている。

 

 しかし、直播の場合、発芽時期が遅いので、5月15日中心の慣行苗移植の田植と同じ効果が得られる。作業の軽労化も手伝い、農村の置かれた状況には抗えない、地球環境変化にも対応する時代の変化なのである。しかし、乾直播種アタッチメントの新たな導入など資金繰りは甘くない。

 

≪V溝直播田(営農)と慣行移植田(個人)の対比≫

≪慣行の苗移植の田植田≫

≪V溝乾田直播田≫