遠くっていったいどれくらい遠くのこと
遠くに行きたいと思った僕たちの
遠くっていったいどれくらい
遠くのこと
大人になりきらない僕たちは
きっと地球の裏側まで行けてしまう
羽田までレンタカーを借りて
そのまま乗り捨てて飛行機に乗って
そんなふうに遠くへ行ける
夜明け前の国道沿いを歩く僕たちを
軽快な自転車が追い越して
そのモールトンの自転車を
巨大なトラックが追い越して
川の向こうに見える橋には
朝日が昇ると新幹線が時速200キロで駆け抜ける
僕たちが大人になると
遠くはずっと向こうに行ってしまう
あの頃の僕たちが手を伸ばせば掴んでしまいそうだった場所は
いまいったいどこにあるんだろう
距離や速さが相対的なものだとして
それでも多分
彼らの口にした遠くは
1号線に立つ看板の数字とは関係ない
日常や自分が在って
そこからの隔たりを感じていた世界の
どこかにあるイーハトーヴのこと
それとも、ネバーランド