2023年3月に切除可能非小細胞肺癌の術前化学療法として抗PD-L抗体のニボルマブ+プラチナ併用化学療法が保険承認となりました。

 CheckMate-816試験 では術前病期IB~IIIAで切除可能な症例に、治療群はニボルマブ+プラチナ併用化学療法を3コース、対照群はプラチナ併用化学療法を3コース行い、 主要評価項目として無イベント生存期間(EFS) のハザード比が 0.59と良好な結果を示しました。サブグループ解析ではアジア人、IIIA期、腺癌のグループで良好な成績であるようです。

 私見ですが、切除可能非小細胞肺癌の術前化学療法は標準治療との位置付けではなく、切除可能IB~IIIA期の標準治療のほとんどは手術および術後補助化学療法であることから、対照群と比較して良好な成績だとしても、これまでの治療と比較して良好な成績かどうかはわかりません。

 また、切除可能例に術前化学療法を行うのですが、その間に手術不能になる症例が16%あった、とのことです。この16%の患者さんは、手術できなかったために生存期間が短くなってしまうのか、短期間で進行する、もともと手術しない方が良かった(手術しない方がしっかり薬物療法が行える)症例なのか、中止になった症例の生存期間の結果が出てこないとわかりませんが、なかなか患者さんにお勧めしにくいところがあるなと思います。

 これで、新規の肺癌周術期薬物療法は

免疫チェックポイント阻害薬

・術前ニボルマブ+プラチナ併用化学療法

・術後プラチナ併用化学療法後のアテゾリズマブ

EGFR-TKI

・術後プラチナ併用化学療法のオシメルチニブ

 術後オシメルチニブ

 従来からある薬物療法

・シスプラチン併用化学療法

・ユーエフティ

となり、その選択はますます難しくなりそうです。

 

済生会兵庫県病院呼吸器センター

兵庫県神戸市北区藤原台中町5丁目1-1

呼吸器内科:金城、湯村

呼吸器外科:吉村、伊藤、木村

外来診察表(2023年4月1日より)         

曜日  月
呼吸器外科 伊藤
木村
吉村 富山  伊藤 吉村
木村
     
呼吸器内科 金城
山本
湯村 湯村 金城  小林/
永野
     

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