輪状甲状膜切開(穿刺)は、緊急の気道確保が困難な症例の最終手段として、または経鼻、経口の気管内吸引が困難又は不十分な症例に対して細い気管チューブ挿入が必要な症例に対して行われます。救急医療を行う医師は手技を習得しておいた方がいい手技と思います。しかし外科的なアプローチになるため、この手技を経験した医師は比較的少ないようです。

適応

・喉頭より中枢の気道通過障害

 ・急性喉頭蓋炎

 ・両側反回神経麻痺

 ・頸部術後血種

・経口挿管、ラリンゲアルマスクで気道確保が困難な症例

・吸痰:経鼻、経口の気管内吸引が困難又は不十分な場合

 ・呼吸器術後の無気肺、肺炎

 ・喀痰による気道閉塞

 

禁忌

・解剖学的ランドマーク(甲状軟骨、輪状軟骨)の確認ができない場合。
・12歳以下の症例、血液凝固異常、咽頭外傷、気管損傷、声門下狭窄、高度肥満。
・カフ付きの気管内チューブや気管切開チューブの適応となる長期呼吸管理が必要な症例には使用しないこと。

 

挿入方法

・頸部後屈、進展
・甲状軟骨と輪状軟骨の間の輪状甲状膜の確認

・皮膚消毒、局所麻酔

 

・直接挿入

 ・ICIメディカル   クイックトラック

 ・トップ      トラヘルパー

 

・セルジンガー法(ガイドワイヤーを用いる方法)

 ・トップ      トラファイン

 ・Melker      緊急用輪状甲状膜切開用カテーテルセット

 ・スミスメディカル ミニトラックII(製造中止)

 

・挿入の確認:吸引チューブで喀痰が吸引されること、X線、バッグ換気で胸部聴診

       ETCO2モニタ

 

・チューブを皮膚に固定

・人工呼吸器に接続、または吸痰を行う

 

済生会兵庫県病院呼吸器外科、呼吸器内科

 

 

兵庫県神戸市北区藤原台中町5丁目1-1

 

常勤医師(入院担当):

呼吸器内科:金城、湯村

呼吸器外科:吉村、伊藤、木村

外来診察日(2022年10月1日より)         

曜日  月
呼吸器外科 伊藤
木村
吉村 富山  伊藤 吉村
木村
     
呼吸器内科 金城
山本
湯村 湯村 金城  小林/
高宮
     

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