肺の手術の時に、肺の根元にある血管を切る方法には主に3種類あります。
血管を切る処理を安全に行うことが肺の手術の重要なポイントのひとつです。
①糸で両側を結んで間を切る方法
以前の手術はすべてこの方法で行われていましたが、時間と熟練を要することから、内視鏡手術が多くなった現在では行われることが徐々に少なくなっています。
②エネルギーデバイスを用いる方法
エネルギーデバイスは電気的なエネルギーや超音波振動を用い、血管の壁を凝固させてくっつかせ、血が出ないようにしてその間を切る道具のことです。
一定サイズ以下の血管に用いられます。
小生の場合は直径5mm以下を基準にしています。ただし4-5mmに近い場合には心臓に近い側は糸で縛ってからエネルギーデバイスを用いることにしています。
電気的エネルギーを用いる装置には
リガシュア®
エンシール®
などがあります。
超音波振動を用いる装置には
ハーモニックスカルペル®
ソノサージ®
ソニシジョン®
などがありますが
呼吸器外科では電気的エネルギーを用いる装置の方が多く使われると思います。
③自動縫合器を用いる方法
ホッチキスの歯のような金属クリップが多数並び、その間をナイフで切る道具です。一定サイズ以上の血管に用いられます。
小生の場合は直径5mm以上を基準にしています。
最近発表されたエネルギーデバイスのリガシュア®を用いた前向き臨床試験の報告では肺動脈では直径5mm以下の250本、肺静脈では7mm以下の血管213本に対して、リガシュア®で切離が行われ、再出血をきたした症例はありませんでしたが、同じ報告で、肺動脈で直径7mm以下を対象にしたときには、216本中1本で再出血が起こり、その1本は直径6mmであったと報告されています。
済生会兵庫県病院呼吸器外来
兵庫県神戸市北区藤原台中町5丁目1-1
http://saiseikai.info/reception/ambulatory/
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