間質性肺炎は、肺の中の肺胞の壁に炎症や損傷が起こって、壁が厚く硬くなるため、酸素を取り込みにくくなる病気です。(日本呼吸器学会)

特発性間質性肺炎はその中で最も多い病気で、他には特発性器質化肺炎と呼ばれる病気や、リウマチなどの膠原病が原因のもの、過敏性肺臓炎(アレルギーに関連)、薬剤性肺炎、塵肺による間質性肺炎まで入れると原因は200以上にも及びます。いずれも軽症のうちはそれぞれの病気に特徴的な変化を示しますが、 進行すると、どれも肺が固く、もろくなって、肺の中を顕微鏡で見ても、肺胞という壁が厚く硬くなり、一部は破壊されたような同じような変化になります。症状もほとんど同じで、

 間質性肺炎で気胸になりやすいのは、どちらかというと進行して肺が相当に傷んだ状態であるが多く、治療には非常に難しいことが多くなります。

また、以下のような特徴もあります。

・間質性肺炎を伴う気胸の特徴は、肺が固く、空気が入りにくくなって、縮もうとする力が強く、一度空気漏れを起こすと止まりにくい。

・手術以外の有力な方法である癒着療法で、よく使うピシバニール、ミノマイシンで間質性肺炎が急激に悪化することがある。→癒着療法を安易に選択できない。

手術に関しては

・肺がもろいため、自動縫合器で縫ったり、針と糸を使って縫って補強しようとしたときに、通常より裂けて空気漏れを起こす可能性が高い。

→補強材を使いながら縫合を行いますが、それでも空気漏れがコントロールしにくい場合もあります。

・ステロイド内服の場合も多く、縫い合わせた部位が開いて空気漏れが起こりやすい。

・片肺を呼吸させないで手術をしたときに低酸素になる場合がある。

などの問題があり

手術後に関しては

・術後呼吸状態が急変する急性増悪を発症する可能性が一定の確率で起こり、起これば適切な治療を行っても死亡率は高率(約50%)であること、予防する方法が確立していない。

→時間に余裕があれば術前にピルフェニドンの内服を行うこともできますが、気胸の場合は2-3週間も待つことが現実的には困難で、使用出来ないことがほとんどです。

・慢性肺気腫と同様に、痰が詰まったり、肺炎を起こしたりする可能性が高い。

上記から、間質性肺炎を伴う自然気胸の治療は前述の慢性肺気腫よりもさらに一層難易度の高い治療になります。

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