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静かな施主になれなかった四十男の話

日本海側のN市で注文住宅を建築。

子供を授かりマイホーム計画始動。マタニティブルーの妻との距離感に悩み、限られた予算の中での葛藤、ハウスメーカーへの不信を拭えず口うるさい施主に変貌した四十男の振り返りブログ

上棟の日。

仕事は休みにして丸一日、現場に立ち会った。


前日までに1階の主要な柱は立てられていたが、そこから家の形が出来上がるまで、いっきに一日で仕上げてしまう。

10人はいなかったが、現場監督さん曰く「心強い」人数が集っていた。


全員が完全に段取りを共有できていないと、そんな動きは無理だろうと思えた、一人一人プログラミングされたかのような作業風景。

全員がベテランに見えた。

「尊敬に値する」
上棟をそう言う人に共感した。


夕方になる頃には屋根も付いて、それまでイメージパースでしか見てこなかったものが、原寸大になって現れた。

二寸勾配の片流れ屋根を背負った顔は、威風堂々たるものだった。


見上げながら、家族を持つ四十男はしみじみ思ったのだった。

「オレも頑張ったな~」
ではなく。
「オレこれからも頑張らないと・・」
そんな武者震いなのだ。


住宅ローンを使ってのマイホーム取得。

マイカー納車で車体を撫でながら「オレ頑張ったな~」とニヤニヤするのとは違う。

これから十年単位のローン返済を、頑張っていかなければならないのだ。


この日ばかりは静かに上棟を見届けた施主。

首の痛みは、見上げ続けたせいだったのか肩の荷を再確認したせいだったのか。