昼間の照明は昼光色で、夜間はやや赤みがかったものに切り替わる。

 

 

 実際、軍の潜水艦で使われている方式のようで、このシェルター施設が民間のものではないという話も頷ける。

 

 

 とはいえ、そのような区別が無ければ窓ひとつないわけだから、昼夜の判断はデジタル時計頼りだろう。

 

 

 くどいようだが、太陽の光が恋しくなるばかりだ。

 

 

 

 小動物に通信ケーブルがかじられているのを発見しては、報告したり修理したりで日々与えられた役割をこなす生活にも慣れてきた。

 

 

 あとはこのまま事態が落ち着いて、無事出られたらと思わない日はない。

 

 

 避難しているとはいえ、何もしないと退屈で身体もすっかりなまってしまうだろうから、役割があるのはいいのかもしれない。

 

 

 ただ、これだと何か問題をやらかして、刑務所なり強制収容所に収容された犯罪者と変わりがないのではないだろうかと思わなくもない。

 

 

 まだ、ビールといったお酒が飲めるくらいには自由度があるわけだから、本当に何もないところで途方に暮れるよりは良いのだろう。

 

 

 似たようなところで正直あまり考えたくないのだが、もし提供される食事や飲み物が途絶えたらどうなるだろうか。

 

 

 そうなれば、広大で出口の場所もわからない地下室に閉じ込められた人間になってしまう。

 

 

 そこは今のシステムを運用している連中を信用するしかない。

 

 

 

 この状況におかしくなった人もいないわけではなく、事故なのか吹き抜けから落ちた人間もいる。

 

 

 真相は本人にしかわからないが、何があったのだろうか。

 

 

 

 場所に関係なく人間関係というものはついて回るもので、類は友を呼ぶという言葉がある通り、似たような人間が自然に集まってグループを形成している。

 

 

 すべてが平和で対等であれば問題はないが、中には何らかのガマンを強いられている人間もいるようだ。

 

 

 いくら嫌でもこの限られた空間で毎日顔をあわせなければならず、しかもいつまで続くかわからない中、どうしたらいいのかわからない不器用な利用されるだけの人間も出てきた。

 

 

「同じ日本人でもこうなるんだから、外国人も混ざってたらそれはそれで大変だっただろうな。」

 

 

「そうだなあ。他の場所にいるのかね。」

 

 

「さあ。そういえば見たことないな。」

 

 

「同じ日本人と言っても、それこそ大昔の戦国時代なんか家単位で命かけて争ってたわけだから、区別ってやっぱり大事なんだよなあ。」

 

 

「そりゃそうか。」

 

 

「血が混ざればいいかって話でもないしな。」

 

 

「そうなのか?」

 

 

「昔は政略結婚なんてあったくらいだからさ。」

 

 

「ああ、そういやそうか。」

 

 

※この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在する人物や団体とは一切関係がありません。

 

※この作品は2025年7月27日にnote.comに掲載したものです。