かつて賑やかだった街中も、突然海の向こうから現れた無数の飛び道具で多くは破壊されてしまった。

 

 

 モノだけなら修理すればなんとかなるが、多くの人達がこの世界を去ることになったのが致命的で、混乱を避けるためか当時の政府は被害は限定的だの一点張り、これがどういう事態を招いたかは想像に難くないだろう。

 

 

 中央の人間は大昔からある地下施設に避難し無事だったという。

 

 

 農村部など、のどかな地方の人達は現地の惨状を嘆く人たちが発信する情報を見て、有り得るはずのない何かが起こったことを知った。

 

 

 

 電力供給が不安定になったかと思うと通信障害、最新機器ほど沈黙し、使いものにならなくなっていった。

 

 

 後からわかったことだが、結局最後まで頼りになったのはお年寄りが持っていた小さなアナログラジオだったという。

 

 

 わたしたちが長年組み立ててきた光ケーブルと外部電力に依存した小さなデータセンターは蓄電池が限界を迎えた場所からガラクタと化す。

 

 

 各所の中継機器が電源を失った時点で通信が出来なくなってしまい、発信も受信も出来ない電池だけは残った携帯電話のようで、強固に思えていた通信インフラも考えていたよりはずっとあっけなかった。

 

 

 またそれで済むわけがなく、闇の中に突如として現れた光の球は着地すると轟音と共に辺りをことごとく瓦礫へと変えていくのだから、なんとか身を守りながら逃げまどい、もうおかしくなって笑うしかない。

 

 

 この時以来、社長と次男とは連絡が取れないままだ。

 

 

 

※この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在する人物や団体とは一切関係がありません。

 

※この作品は2025年4月19日にnote.comに掲載したものです。