こんばんは!のいです。

 

今日は訳書、マイケル・I・ハンデル著「孫子とクラウゼヴィッツ」です。

 

「米陸軍戦略大学校テキスト」ながら、経済や経営にも通じるところがあると考えています。

東西世界の軍事の大家の考え方を比較して、時代や場所が変わっても変わることのない

戦略の本質を探ろう!という一冊です。

 

まず、孫子とクラウゼヴィッツそれぞれを簡単に紹介します。

 

孫子の本名は孫武といい、紀元前500年頃に中国で活躍した武将です。

軍事戦略を研究し、兵法書「孫子」を著したといわれています。

日本では武田信玄公の風林火山の旗印で知られています。

 

クラウゼヴィッツは18世紀のナポレオン戦争期に活躍した、プロイセン陸軍の将軍です。

彼も軍事戦略や戦術を研究しましたが、途中で急死してしまいました。

没後夫人や友人達が遺稿をまとめ、「戦争論」として世に出しました。

 

本書では比較の結果、「政治や経済といった広い視野で考えること」が本質としています。

 

孫子は、軍人というよりは政治家に近い立場から書かれています。

戦争を人的・物的資源の浪費と捉え、情報戦や交渉でできるだけ避けることとしています。

「戦わずして勝つは上策の上なり」という有名な言葉にもその考え方が表れています。

 

クラウゼヴィッツの戦争論は、純粋な軍事戦術から戦略へ積み上げる考え方をしています。

本人が叩き上げの軍人だったこともあり、戦争の是非にはあまり言及しておらず、

実際の戦場での不確定要素や勝敗を決める要素について記しています。

 

ただ、戦争は政治の手段のひとつに過ぎない、という点で一致していると著者はいいます。

戦争や戦闘それだけを見るのではなく、政治や経済などの背景を広く眺めてみれば、

必要のない争いを避けたり、争いになっても有利に進めたりできるとあります。

 

広い視野ってよく言われますが、言うは易しなんですよね。

行動としては、人の意見に耳を傾けるとか、実際に足を運んで現実を知るとかですね、

外に出にくいときは読書もアリ、と読みながら考えていました。