「おい!きけ!しんや!」
「....えぁ!?あぁ、はい」
俺はバンドメンバー3人で久々にスタジオにいた。
「ここのAメロ入るとこ、どうするん?」
「あぁーっと...Aメロ、Aメロっと」
「楽譜みてたん?」
「あぁ、うん」
「....」
「...」
妙な沈黙の中俺は言われたところに印をつける。
「おっけーおっけー!」
「今日帰り、ラーメンおごったるから、集中せぇやー」
「え!俺別に集中してるやん!」
「はぁ?お前さっきから、ポカーンとして全然...久々のスタジオ、残り時間も少ないっちゅーのに」
「いやいや、普通やし!なんなん!」
「そのいい方はな..」
「あー!!待った待った!2人とも!」
それまで黙っていたドラマーの美保が口をひらく。
「なるほどなぁ、恋かぁ」
「♪〜♪ジャーン!ジャカジャカジャカ♪」
俺は美保の言葉を遮るようにギターをかき鳴らし、マイクに鼻をつけて鼻歌をうたった。
2人は、目を合わせて呆れたように、でもどこかニヤつきながらその鼻歌に合わせて楽器を鳴らしてくれた。
俺はなんだかそれが気持ちよくて、俺も後ろを向いて2人と目を合わせた。
全部聞くからな、と言わんばかりの目線に全部話してやるわ!と音で答えた。
