能meets美馬教室ブログ企画その2 | 能meets

能meets

観世流能楽師 林本大による
わかりにくいからこそ面白い能の、わかりやすく「濃密」な講座。
「能が皆さまに会いに行く」をモットーに大阪・東京で定期開催。
全国展開中!
スタッフ運営。

いよいよ今月が発表会の美馬教室の皆さまのお稽古の様子をレポートでお届けいたします!
 
林本先生は美馬へ…行く前に徳島城博物館の講座です。
午前中からお稽古。
早めの10時過ぎに到着したところ、しばらくするともうお一人お越しになり…お稽古がスタート。
徳島城博物館の催し「観月能」も今月21日です。皆さん熱心ですね。
 
10時半前からスタートしたお稽古は、講座が始まる13時半まで続き、そこから講座。「海士」の曲解説。
そちらをしっかりと実演も交えながら100分行い、そこからまた息つく暇なくお稽古…。終了は退館時間の17時。
 
 
そこから車で1時間ほどかかる美馬へ移動して、
18時から美馬教室開始です。
 
この日は本番を想定してのお稽古。
稽古場にも見台が置かれています。
こちらももう皆さんで早めに来てちゃんと準備がされているんですね。  


そしてその向こうでは…
 

見慣れた風景、成田さんの自主練習。
成田さんは徳島城博物館の「観月能」にも参加されるので今月二度も発表会が控えています。
 
そして、こちらも…
 

皆さんのお心遣いのお菓子。

疲れた体に染みる甘いものやビタミン、小腹を満たすおかき…素敵なチョイスです。

 

番組表もしっかりと出来上がっていました。

 

 

この次に先生が来られるのは本番の日。

午前中に少しお稽古の時間はありますが、当日ですので…

本番を想定したお稽古が続きます。

仕舞のお稽古の順番もなるべくその通りに。

地謡に参加する方も先生の隣で一緒に謡います。

仕舞だけじゃなく、隣の地謡の方にも先生のアドバイスが入ります。

 

本番を想定して、止めない止まらない、続ける。

そんな先生の言葉に前回より緊張感が漂いつつ…

やはり皆さんの成果が見えます。

 

目線、速さの指摘、間違った時のお話などなど。

 

仕舞が終わると、謡いのお稽古。

皆さんで確認しながら入退場も。

ついつい扇や謡本を忘れたり、順番がわからなくなったり…

その都度皆さんで確認しつつ和やかに。

 

 

曲によって場所が変わるので入退場の順番も変わるんですね。

役を間違ってしまう櫻間さんの旦那さん…

後ろの奥様と猪尾さんの「違うよっ」と合わせたかのようなツッコむ声が二度ほど響いておりました。

奥様の「真ん中座ってるからシテ(主役)と思うんかしらんけど、シテでもワキでもないよ」との言葉に思わず笑いが起きます。

間違ってもその指摘の様子が面白く微笑ましいです。

 

 
先生も地謡で参加されるときは皆さんと並びます。
入退場もそうですが、謡本と扇の処理の仕方なども確認していきます。
皆さんが一堂に謡う曲や地謡部分は、本当に迫力があります。
声もしっかり出ていて、とても気持ちよさそうで、見ているこちらも気持ちがいいです!

 

 
皆さんの取り組みが本当に熱心で、応援したくなります。
 

 

検温など感染症対策も怠らない櫻間さん奥さん、自主練習をする成田さん、猪尾さん、見いても他の方の指摘された扇の持ち方を一緒にお稽古する三橋さん、成田さん、一生懸命見ている櫻間さんの息子さん、斜めになっている見台に気づいて直す猪尾さん、旦那様を撮影する櫻間さん奥さん、地謡を自分の席でも声を出す櫻間さん旦那さん。

 

片づけも皆さん協力して。

そして最後の稽古も皆さん残って見守ります。

 

 

もう着替え終わっても、ギリギリまで指導をする先生。

謡や仕舞のことだけでなく、謡本の捲り方がうまくいかなかった成田さんへアドバイス。

 

今回印象的だったのは、前回のお稽古からと比較してしっかりと成果を伝えられている姿でした。

「ここは良くなってきました」「今日は前よりも~でしたね」「前は~でしたけど、今日は出来てましたね」などなど。

自信を持っていただくことも大切なんですね。

 

そんな中でも、先生独特の「だいぶ目を潰れるようにはなりました。まだまだですけどね」などユニークな言い回しで場を和ませることも忘れません。

 

最後の最後に先生の番外仕舞のお稽古も退館直前まで続きました。

 

 

お社中さんの発表会は、プロの能楽師の方の舞台とはまた違う面白さ素晴らしい良い部分があると思っていましたが、こうやって皆さんで作られている美馬教室では更にその想いが強くなります。

 

最後の番外仕舞などは、プロの能楽師の先生のみでされる事が多く、それも楽しみで、ひとつの見どころなのですが、美馬教室では先生がお一人なので皆さんの謡で先生が舞います。

それも本当に素敵だなと思って見ていました。

 

最後まで皆さんが先生の車を見送る姿を見て、スタッフとしても皆さんのお気持ちが伝わってきて…当日は緊張してしまいそうです。

盛会となりますよう。

皆さんの成果がその日に出ますよう。

祈っています!!

 

いよいよ次回は発表会当日。

11月15日(日)にお邪魔します。