これが現実! | 赤 垣 義 憲

赤 垣 義 憲

野辺地町議会議員の赤垣義憲です。
北部上北広域事務組合議会の担当議員もしています。

野辺地町や事務組合の現状や議会情報などをお知らせします。

議員としての考え方、意見や提案をコメントします。

ときどきは趣味の吹奏楽・ゴルフ・車などの話題もありまーす!

 

このグラフは、野辺地町が借入れした地方債と、返済に充てた公債費をグラフ化したものです。
平成13年度から令和4年度までは総務省から公開されている決算状況から、令和5、6年度は予算書から抽出したものです。

 

まず注目したいのが、ここ2年間の巨額の地方債です。

平成13年度の借入額は2億4260万円で、今年度はこれの約5倍に当たる12億2400万円。

昨年度に至っては、7.6倍の18億4200万円です。

 

これは、新役場庁舎建設が大きな要因となっているのですが、何に使うにせよ借金は借金、必ず返さなければなりません。

ちなみに、令和5年度予算での新役場庁舎建設に係る地方債借入額は13億6090万円、令和6年度予算では6億2870万円を借入れする予算が計上されています。

この2年間で約20億円もの借金をしてしまうということになります。

 

グラフを見てわかる通り、ボクが考える大きな問題は平成20年を最後に年々増え続ける公債費、つまり借金の返済額です。

平成20年度は3億4480万円だった返済額は、平成29年度からは5億円を下回ることがなくなり、特に令和3年度からは7億円以上の返済が続いています。

 

今後、町の収入が増え続けていくのであれば理解はできなくもないのですが、主な財源である町税+地方交付税は今後、人口減少と共に減額していくものと考えられます。

収入は減っていくことが予想される中で、返済が増えていく、あるいは減る要素がないとなれば、危機感を覚えずにはいられません。


しかも、これに追い打ちをかけるのが統合小学校建設計画です。

計画での総事業費は、児童館建設も含めると約57億2238万円、このうち37億7930万円は地方債を充てるとのこと。

借入残高が相当増えることは誰が見てもわかると思います。

 

先ほどの新庁舎建設事業では令和5、6年度で約20億円、これにプラスして令和6年度から10年度にかけて約38億円。

私たち町民はこの6年間余りの間に、新たに58億円もの借金を背負わせられることになります。


この返済は、新役場庁舎建設事業が20年返済、統合小学校建設事業では25年返済と計画されていることから、町の全人口が約6200人になると予想されている2050年以降まで続くことになります。

ピーク時の返済額は、役場庁舎が約1億1千万円、小学校は約2億円となる見込みで、2つ合わせると3億円を超えます


町はこれの財源に「原子力立地給付金」を充てると説明していますが、その原子力立地給付金の給付額は約1億2千万円で、これもまた人口減少に伴い減っていくものと考えられます。

つまり、この返済計画は今の時点で既に破綻していると考えてもよいのではないでしょうか。

 

仮に、計画通りに原子力立地給付金で返済していけたとして、この2つの大事業以外の通常事業が実施できるのでしょうか。


それだけではありません。

みなさんもご存知のように、公立野辺地病院は老朽化が進み、さらには浸水区域ということもあって、移転建替えが必要となります。

加えて、国体誘致ができないほど老朽化した町立体育館、勤労青少年ホームと体育センター、給食センター、公民館などなど、まだまだ手をかけなければならない公共施設が多く存在しています。

今後は、どれかを廃止する、あるいは、どれかとどれかを複合施設として維持するなどの検討も必要だと思います。

 

その前に!

ボクは、現在計画が進められようとしている統合小学校建設は見直しする必要があると考えます。

今後、これだけの公共施設に手をかけなければならないことがわかっている以上、小学校だけに多額の投資をするわけにはいきません。

かといって、小学校をそのまま使い続けようとは思ってもいません。

複合化です。

野辺地中学校と複合するのです。

 

現在の野辺地中学校校舎に小学生が入れるだけの教室を増築し、狭いながらも音楽室や理科室などの特別教室や体育館、グラウンドを共用することで、老朽化した校舎から退避できます。

しかも、三戸町や六戸町が進めている、小中一貫教育にシフトする絶好のタイミングでもあると考えます。

小中一貫校のメリットは三戸学園の関係者から伺っており、中一ギャップがなくなり不登校が減少したとか、中学生が小学生に対して優しく接しているとか、心が育つ面も見られたようです。

六戸学園も、同様の考え方の下で小中一貫教育にシフトすることを決断したのではないでしょうか。

 

その一方で、一貫校のスタート時点では教職員が戸惑ったりすることもあり、慣れるまでの間は苦労したと言います。

しかし、今後は全国的にも小中一貫の流れになると思っていますし、加速する少子化に対応するためにも、今から手を打つ必要があると考えます。

 

役場庁舎建設と聞けば役場庁舎にだけ目が向き、小学校建設と聞けば小学校にだけ目が向けられているのが現状です。

しかし、町を総合的に見た時、それだけではない他の課題が見えてきます。

 

一時だけ、一つの事業にだけ目を向けるのではなく、広く周りを見渡し「今何をしなければならないのか」だけではなく、「これから先には何をやらなければならなくなるのか」も考えて、今を判断していくことが必要不可欠であり、最も重要なことだと考えます。

 

みなさんはどう思い考えますか?