続・続・「町長ら特別職と議員報酬の引き上げ」について | 赤 垣 義 憲

赤 垣 義 憲

野辺地町議会議員の赤垣義憲です。
北部上北広域事務組合議会の担当議員もしています。

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ゆまたこの話題かぁ…と言わずに是非読んで欲しいです。


2月8日の地方紙に再び記事が掲載されました。

 

前回1月31日の紙面に詳細が書かれていましたが、今回は前回掲載された内容について「野辺地町特別職報酬等審議会」が野村町長に答申したという内容でした。

 

※ 野辺地町特別職報酬等審議会条例より

「審議会は委員十人をもつて組織し、その委員は野辺地町の区域内の公共的団体等の代表者その他住民のうちから必要のつど、町長が任命する。」

(町長が任命するそうですが、給料を上げてくれそうな人を選ぶのでしょうか? まさかねぇ…)

 

前回は「町特別職や議員の給料・報酬を削減している特例条例を廃止するとともに、上北郡の平均並みに引き上げるよう条例改正することを『町特別職報酬等審議会』に諮問し、同審議会が了承する答申をまとめた」とあった他、「給料・報酬の削減は厳しい財政を踏まえ実施されており、教育長を除く町特別職の給料と議員報酬は20年以上改訂されていない。」ということも書かれてました。

さらには、審議会のことも「審議会には町内の団体・組織の代表ら委員10人が出席。町側が経緯や県内の給料・報酬の状況、町の財政状況などを説明した。」とあり、「委員からは『20年以上頑張ってくれた。町のリーダーにふさわしい給料体系に』など、条例改正を後押しする意見が複数出された。」と書かれてました。

 

ということで、何がどう変わるのかをおさらいしたいと思います。

※ 年額には期末手当(3.25月分)が含まれています。

ご覧の通り、条例改正すれば年間経費は986万円余り増額となります。

 

改正案については上の表を見ていただくとして…

 

 

私が気になったのは「上北郡の平均並みに引き上げる」という内容です。

 

何を根拠に「平均並み」なんですか?

 

会社に対して自分の給料を「周りの人と同じくらいにして欲しい」と言ってるようなものですよね。

 

民間会社には多かれ少なかれ査定というものがあると思います。

これは年齢を考慮することもあるでしょうけど、大きな要因は能力だと思います。

稼げる人は給料アップ、これって普通にあることだと思います。

 

社員全員が同額の給料をもらっている会社って聞いたことあります?

少なくとも私はありません。

 

 

さて、上北郡の平均並み」が妥当なのかを考えてみました。

 

仮に、野辺地町の財政が上北郡の平均であるというなら理解できます

 

そもそも、事の発端は「町の財政が厳しいから」という理由で給料・報酬を減額するために特例条例を制定したはずです。

ここを深く追求しなくてはなりません。

 

はたして野辺地町の財政が上北郡の平均なのか!?

 

検証してみました。

 

上北郡は野辺地町・七戸町・六戸町・横浜町・東北町・おいらせ町・六ヶ所村の7町村です。

 

人口や面積などの町の規模自体がそれぞれ違いますから、標準財政規模(わかりやすく言うと、最低限の町政運営に必要とされるお金)では、比較することができません

でも「いつも通りに収入される金額」にたいして「いつも通りに支出される金額」がどれくらいの割合かを示す「経常収支比率」は規模が違っていても比較可能です。

 

とはいうものの、六ヶ所村は別格(地方交付税不交付団体)ですから、今回の対象から外します。

六ケ所村さん、ごめんなさい

 

6町の比較と、野辺地町を除いた5町の平均値との比較をご覧ください。

(ちなみに、前回のブログでは野辺地町の過去の経常収支比率を並べてました)

 

↓の表にまとめました。

令和3年度までのデータしか持ち合わせていませんので、平成29年度からの5年間で比較してみました。

財政規模は毎年若干変動します。

令和3年度は、国からの地方交付税が多く交付されたことから、各町とも予算規模自体が大きくなったと思われます。

 

結論から言うと野辺地町の財政状況は上北郡の平均を大きく下回っています

 

表を見てみましょう。

経常収支比率の過去5年の平均値は、5町平均が89.5%なのに対して、野辺地町は99%

自由に使える財源(余裕額)は5町平均が約5億5500万円に対して、野辺地町は約4800万円

他の町では数億円を町独自の事業に使えるという財政状況、つまり住民サービスを充実させられるということです。

例えば七戸町や六戸町などは、町民バスを運行して交通弱者支援をしていますよね。

 

こういうことなのです

 

上北郡の平均並み給料を求めるのなら、平均並みの財政状況にしてから

住民サービスの充実はおろか、サービスの低下が見られる中において、平均並みの給料を求めることは本末転倒であります。

 

「原子力立地給付金を町民に戻してから給料を引き上げるべきではないですか?」という町民の声もありました。

 

「財政状況が厳しいから給料を引き下げます」と言って始めた特例条例を、財政状況が改善しないうちに廃止するなんてあり得ません!

 

3月定例会に、これを議案として上程するようですが、私は断固反対です❗️