山形交響楽団が秋田ミルハスに来た | この辺りの見所の者

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2024/3/3

山形交響楽団特別公演

あきた芸術劇場ミルハス大ホール


秋田ミルハスでクラシック音楽のコンサートを聴くのは今回が初めて。指揮者とソリストのピアニストが秋田県出身。ピアノの佐藤卓史さんは、京都のカフェ・モンタージュで、プロコフィエフの戦争ソナタやシューベルト、秋田のアトリオン音楽ホールで自身の作曲した曲などを聴いて来たけど、コンチェルトで聴くのは初めてである。指揮の佐々木新平さんは、聴ける音源が少ないけど経歴からドイツ系の指揮者かなと推定。


秋田での開催で、会場係は地元の高校生が担当。プレコンサートがあり、山形交響楽団とノースアジア大学明桜高等学校吹奏楽部との合同演奏会で、T.スザードのスザード組曲より4曲を抜粋。


本編のプログラムは、

ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」J.277序曲

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番ハ短調 作品15

休憩後に

ブラームス/交響曲第2番ニ短調 作品73


かなり前からチケット買っていたけど、てっきり2階席の1番後ろの席を買っていたと思って、当日に発券したら、1階の1番後ろの席だった。普段なら絶対に取らない席。何故なら2階席のせり出しの屋根で響きがカット気味になってしまうからだ。やっちまったよ。


気を取り直して、魔弾の射手から。カルロス・クライバーのデビュー盤でも有名な曲だけど、実演を聴くのは今回がお初。


最初の出だしが、やや呼吸が微妙に緊張感が伝わったけど、端正に丁寧に音楽を指揮の佐々木新平さんは進めていた。休符もせかせかせず、なんかドイツの地方の歌劇場でオーケストラピットに入って演奏しているような指揮。ドイツで研鑽していたらしいけど、歌劇場でも研鑽していたのかもしれない。


ベートーヴェンピアノ協奏曲第1番は、はるかはるか昔にN響定期で、ブロムシュテットの指揮でピアノは、リチャード・グードで聴いた事あり、それ以来の実演。グードが丁寧に流れる音粒で落ち着いて弾いていたのだけは憶えている。

予習で事前に聞いてみると、ベートーヴェンの1番だけど、モーツァルト味が結構ある印象。第2楽章は、ベートーヴェンの片鱗があるけど。


佐藤卓史さんがミルハスのピアノを剪定したヤマハCFX。


山形交響楽団は、オリジナル楽器を使って演奏するので、この1番もシュッと絞まった演奏に聴こえたけど、一階1番後ろ席からの音響だから、少し補正が必要かもしれない。佐藤卓史さんの第1楽章は、軽みあるモーツァルトみたいなタッチ。カデンツァでは軽みとグルーヴある演奏。

第2楽章は、ピアノのタッチが代わり、ベートーヴェンのタッチ。深く重厚に弾く。オケもやや重厚に、木管はクラリネット中心でピアノと会話。

第3楽章は軽やかなグルーヴでノリのある演奏。作曲時期がモーツァルトが亡くなった間もない頃で、ベートーヴェンの曲にモーツァルトの影響があると当たり前だけど思えた演奏。


アンコールは、ベートーヴェンピアノソナタ8番悲愴から第2楽章。深く歌わせていた。


休憩後にブラームスの2番。

佐々木新平さんの指揮は、カペルマイスターっぽい音楽だなと思えた。ドイツ地方歌劇場の叩き上げ指揮者のような端正で丁寧な音楽。歌わせる所は過剰では無いけど歌わせており、オケも特にホルンが良かった。佐々木新平さんの指揮でオペラを観たいと思えた。


アンコールは、ブラームスハンガリー舞曲第4番。アンコールはかなりオケを鳴らして土着性ある濃厚な音色。佐々木新平さんは音色のパレットが結構ある指揮者だなとアンコールで感じた。


佐々木新平の指揮で、また聴いてみたいと思わせた今回のコンサート。今回の特別公演で終らず、山響が秋田定期として来てくれる事を強く望みたいね。


プログラムに記載されていなかったけど、コンサートマスターは、たぶん髙橋和貴さん。