姨捨(伯母捨) | この辺りの見所の者

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いよいよ、土曜日に能『伯母捨』(金春流、喜多流の表記。観世流、宝生流、金剛流は姨捨表記)
を観に参ります。
伊勢に来てから初めての姨捨。
能で三老女といえば、関寺小町、姨捨、檜垣ですが(流儀によって違いあり)
この三曲の中では姨捨を観る機会が一番多かったです。

【観世流】梅若玄祥、 浅見真州 、 山本順之 、 片山幽雪。
【宝生流】三川泉 、今井泰男 、佐野 萌、
近藤乾之助。
【金剛流】今井清隆。
【金春流】は未見
【喜多流】友枝昭世 二回。香川靖嗣(予定)
各流儀、観能順。

一番最初に観た姨捨は2000年の三川泉師の演能でした。
舞台に広がる月光は、雲の間から時折月光が姿を見せるもので、最後の石になる場面は、風でシテが消え去るものでした。

今井泰男師の姨捨は、雲ひとつ無い月光。

佐野 萌師の姨捨は、やや小粒ながらも最後の石の場面の姨捨山の描写が秀悦でした。

近藤乾之助師の姨捨は、柔らかな月光。牧歌的な空間。

梅若玄祥師の姨捨は、京都での観能。
前と後で、それぞれ違う老女の面を付けての演能。

浅見真州師の姨捨は、観世宗家に伝わる型を演じました。

山本順之師の姨捨は、正攻法。

片山幽雪師の姨捨は、存在そのものだけで、荒涼の姨捨山に照りつける月光。

友枝昭世師の伯母捨は、一回目は強烈な月光。二回目は老女物の重さを排除しながも高い位取。最後は死人で舞台を去った。

今井清隆師の姨捨は、サラリ。

今度観る香川靖嗣師の伯母捨は、どんな月光が観れるのだろう。



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