種まきせずに野菜を増やす方法「挿し木」~バジル~●種まきせずに野菜を増やす方法「挿し木」~バジル~ 「挿し木」で初心者が注意すべき4つのポイント 場所さえがあれば、多くの方が気軽にはじめられる「挿し木」。 野菜栽培初心者でもできる挿し木の手順や作業のポイントなどをご紹介します。 1.植物や野菜を増やすには、いくつかの方法があります バジルの増やし方を説明する前に、野菜を含む植物はどのようにして増やすことができるのか、その方法について知っておきましょう。 一般的な植物の増やし方は、「種子繁殖」と「栄養繁殖」とに大別できます。 「種子繁殖」とは、その名のとおり種による繁殖方法です。一方の「栄養繁殖」には、以下のような方法があります。 挿し木 葉、茎、根など植物体の一部を切り取って用土や水に挿して発根させ、新たな個体を得る手法。 例えばセントポーリアは、葉っぱ1枚を湿らせた土に挿すだけで、直径30cmくらいまで育てることができます。 株分け 親となる植物を根とともに分けて、複数の株を得ること。 いちどに得られる株数は少ないですが、大株になったものや老化した株の更新にも用いられる手法です。 薬草として知られている「よもぎ」も株分けで増やせます。 接ぎ木 植物の一部を、台木となる別の植物に接合して生育させる方法。 病害に強い丈夫な個体を得るために、トマトやキュウリ、ナスやスイカなどによく用いられています。 取り木 親となる植物の一部に傷をつけて、発根させたあとに、親株から切り離して新たな個体を得ること。 挿し木でうまくいかない植物でも増やすことができます。 観葉植物や樹木などで多く用いられる手法です。 球根 球根は、葉や茎、根が変化した部分に養分を蓄えたもの。 変化した器官により、鱗茎、球茎、塊茎、根茎、塊根と分類されます。 このほかに、ムカゴや木子(きご)といった形で増える植物があります。 2.バジルを増やす、最適な方法と時期 前項で述べたように、植物はさまざまな方法で増やすことができます。 バジルは、種まき、挿し木で増やします。最適な時期は方法ごとに異なります。 種まきの適期 バジルの発芽適温は20℃以上。 種をまくときは、春の八重桜の開花を目安にして種まきをします。 挿し芽の適期 バジルを挿し芽で増やすなら、生育適温が保てる4~7月頃です。 地域によって時期が少し異なります。 3.知りたい! バジルの増やし方「種まき」 準備するもの 鉢植え、地植え共通 ・花穂を覆える大きさのネット袋、または不織布の袋 ・保存用の袋(容器) 種を採取する手順 バジルの開花後に種を採って増やしたい場合は、花が咲いたあとの花穂を剪定せず、そのままにしておきます。 ただし、花がらがたくさんついた状態だと、蒸れやすくなるうえに株が消耗します。 種を採るために残す花穂は必要最低限にして、他は剪定したほうが株への負担は軽くなるでしょう。 バジルはひとつひとつの花が小さく、気づかないうちに種がこぼれてしまっていることがあります。 確実に種を採りたい場合は、花がしぼみきる前に花穂ごと不織布やネット袋などで包んでおきます。 種が熟すと袋の中にポロポロ落ちてくるので、枝ごと切り取って収穫します。 または、種が熟す直前に花穂ごと切り取って、乾燥させて種を採ることもできます。 採取後の種は乾燥させ、名前と採取日を書いたクラフト封筒などに入れておきましょう。さらに、密閉できるジッパー袋などに入れておくと、長く保存できます。 コツと注意点 花後の種を採って、バジルを増やすなら、熟した種を採取することが大事です。 頑張ってたくさんの種を採取しても、未熟なものはうまく発芽できません。 また、採取後の種は、年数を重ねるごとに発芽率が落ちてきます。 採取した種は、いつまでも大事にとっておかず、次の種まき適期に忘れずにまきましょう。 4.知りたい! バジルの増やし方「挿し木」 準備するもの ・ビニールポット(9cm) ・挿し木用土(赤玉土やバーミキュライトなど肥料分のない新しい土) ・カッター(茎の導管を潰してしまわないよう、よく切れる物) ・細い棒(挿し穂を土に刺す際の穴あけ用) ・発根促進剤(なくても可。小さい容器で市販されている製品、ルートンやメネデールが入手しやすい) 挿し木の手順 バジルを挿し木にする場合は、以下の手順で行ないましょう。 ●土に挿す場合の手順 ① 挿し穂として、若い元気な葉を4~5枚つけた状態の茎を切り取ります。 ② 土の中に埋もれる部分の葉は取り除き、大きな葉は蒸散を防ぐために半分くらい切ります。 ③ 挿し穂を小1時間ほど水あげします。 ④ 挿し芽の用土は、あらかじめ十分湿らせておきます。 ⑤ 挿し穂を挿し込みやすくするため、用土に細い棒で穴を開けます。 ⑥ 発根促進剤がある場合には、用土に挿す前に挿し穂の切り口に薬剤をつけます。 ⑦ 挿し穂を傷めないよう用土に挿し、隙間が生じないように、そっと土を寄せます。 ⑧ 挿し穂を挿したビニールポットは、直射日光が当たらない明るい日陰に置きます。 ⑨発根するまで、乾燥させないように管理します。 ※4~7日くらいで発根します。 ●水に挿す場合の手順 バジルは、水挿しでも根が出ますので、ぜひ試してみてください。 ① 土に挿す場合と同じく、前述した①~③までの処理をしておきます。 ② 水を入れたガラスコップなどに処理をした挿し穂を入れ、直射日光が当たらない明るい日陰に置きます。 ③ 水は適宜入れ替えて、常に清潔な状態を保ちます。 ④ 4~7日くらいで発根します。 ⑤十分発根したら、鉢上げして新しい苗として育てていきましょう。 コツと注意点 バジルを挿し芽で増やすなら、「清潔に」を心がけるのが成功のコツです。 挿し床に使う用土は、新しい清潔なものを用意します。 また、挿し穂を準備する際の刃物にも注意してください。バジルの挿し穂を切り取る際に、導管(水の通り道)を潰してしまうと、うまく水上げができません。 挿し穂の準備には、切れ味のよいハサミやナイフを使いましょう。 以上のことを基準に、材料や道具、種や挿し穂を準備し、自分で育てる安全な野菜を食べていることをイメージしながら「挿し木」を楽しんでください。 わからないことなどありましたら、お気軽にメッセージしてくださいね! 【無料!メッセージ相談】「実際の現場で実践したことを基にお悩みにアドバイスできます」 ☑ 定期的に野菜を買ってくれる人の探し方 ☑ 農作物直売所で売れるPOPの書き方 ☑ 農薬を使わず、虫の食害から野菜を守る方法 ☑ 有機肥料を自分で製造する方法 ☑ イベントで行列や賑わいをつくる方法 ☑ 初めての体験教室を満席にする方法 ☑ 保健所の許可のいらない加工品のつくり方 ☑ 飲食店営業や製造業許可の取り方 「こんなこと訊いていいのかな?」と思わず、中小企業庁専門家派遣 登録専門家の谷田貝 孝一に、お気軽にメッセージしてください。無料でお答えします。