私がなぜ、アマゾンのベレンにJICAでやってくることになったのか・・・

 

2016年、JICA日系シニアボランティアとして、モジ・ダス・クルーゼス市に赴任して半年後、JICAブラジルのスタッフからテレビ番組制作への協力依頼がありました。サンパウロ近郊のイビウーナで「ピラルクの養殖」が行われていて、それをさかなクンが取材、「日本の味でいただく」という企画。

 

2017年1月19日、JICAの『なんとかしなきゃ!プロジェクト』のお手伝いでイビウーナ(サンパウロから車で2時間くらいの町)に行きました。「ピラルク」という魚を「和」の味でおいしく食べるレシピの開発。「ピラルク」を養殖している鴻池さんとイビウーナの文化協会婦人部の皆さんのご協力をいただいて、その模様のテレビ撮影がありました。

 

 

   撮影風景        さかなクン・右隣鴻池さん・イビウーナの皆さん

 

刺身、塩焼を胡麻風味のたれとブラジルのハーブでいただく、切り身を片栗粉をつけた油で焼いて野菜あんかけ、「鯛しゃぶ・ブリしゃぶ」のように水炊きなどの料理にしてみました。

もっといろいろな料理ができないかと、アマゾン川の河口の町、ベレンからの「和食の普及」に2019年に応募し、2019年2次隊として2020年1月24日ベレンにやってきました。

 

初めてのベレンは1986年6月、新婚旅行で訪れました。ブラジルは2回目でしたが、アマゾンは初めて。アマゾン川の大きさ、魚市場(ベルペーゾ)の魚の種類とほぼ丸ごと売っていること、泥がに(カランゲージョ)をテーブルの上で棒でたたいて身をとり出す食べ方、ウエイターに机にキズが付きませんか?・・・またペンキを塗ればいいさ!!という返事、まだまだ驚きはいっぱいでした。2日間の滞在でしたが、その印象は強く残り、野菜と同様、「さかな」特に川の魚を料理したいと思いました。

 

2016年、三十年来の思いが叶って、モジ・ダス・クルーゼス市の素晴らしい野菜を思う存分料理しました。2年間の活動が終わるころ、できれば、まったく違う環境での活動を夢見ていました。JICAの年齢制限、応募時、70歳未満に3日を残した幸運?!、料理指導歴47年という実務経験も認めていただき、2020年1月、ブラジルにもどってきました。ワクワクでした。サンパウロの研修を終え、一人ベレンへ。その時、だれも、その2か月後に日本に一時帰国となることは想像だにしていませんでした。

 

それから2年半、再赴任の年齢制限を待機する場合にはなしとする特例に感謝して、待っていました。昨年4月、待望の再赴任の知らせ!!こうして、またベレンにやってきました。

 

ベレンではピラルクは塩漬けにしてから乾燥させてとっておき、塩抜きして調理する、刺身なんて食べたことがないときき、ショックでした。でも事務局長から、「生」を扱っている業者があるときき、ちょっと期待していました。

 

1月13日、5年ぶりくらいに「ピラルク」にご対面。

 

 

    ピラルクの切り身             うろこ・頭・骨

 

テレビ番組の料理を再現してみました。その時はこのほかに「ピラルしゃぶしょぶ」も作りました。さかなクンはピラルクのなめろうを作り、お好み焼きにしました。

 

  

    さしみ        塩焼気胡麻風味       野菜あんかけ

 

今回試食してくださったベレンの皆さんは、刺身は初めてとのこと。

できればまた機会があったら、違った料理に挑戦したいと思ってます。

 

「頭と骨」をくださるとのこと・・・もちろん1尾分と思っていたのですが、届いた箱を開けてびっくり。10匹分くらい入っていました。

まずは1匹分だけの骨を煮だして出汁をとり、さらに煮詰めて冷やしたらゼリー状になりました。モジではできなかった「煮こごり」ができることがわかりました。冷凍してある頭と骨で、いろんな挑戦をしたいと思ってます。   

 

                          

  大きな鍋で骨から出汁をとりました。