12月も半ば過ぎ、日本はずいぶんと寒くなったと、スカイプで話す主人の服装から分かってきます。甲府はまだ12月なのに、最低気温が-5℃近くになったとか。娘からは新潟の大雪の様子を写真で知らせてきました。

そして、正月料理の用意が始まっているころだなと思うこの頃。12月の講習会はやはり「正月料理」と思い、11月の講習会のあとから、準備を始めました。内容を決めるためには、少なくとも一度はベレンで買った食材で調理してみなくてはと、これならと思う野菜、果物や肉などを買って、作ってみました。

 

まず「春山きんとん」、モジ・ダス・クルーゼス市で作ったときは「くちなし」がなかったので、日本を旅行していた方にお願いして、買ってきていただきましたが、今回はこちらにあるものだけで作りたいと、色付けに「アサフラン」(日本語でウコン)を使ってみました。日本で使う「紅玉」は「マッサン・べレジ(青りんご)」で充分味も食感も満足。何かベレンらしさを出したいと、事務局長に相談。「ププーニャを使ったら?」。茹でて皮をむくと、黄色くて、ホクホクして栗のような感触。さっそく事務局長が用意してくれたププーニャで調理。サツマイモと合わせて、色の具合、食べた感触から、一応サツマイモの裏ごしたもの150gに、ププーニャも裏ごしたもの80g、砂糖200g、青りんご1個でレシピを作りました。

 

左の写真がププーニャの茹でたもの。茹でてないものも売ってます。

右の写真は仕上がったきんとん。左の薄い色の方はサツマイモとププーニャが2;1.

右側の黄色が強い方は3;2くらい。ププーニャが多い方は色だけでなく、味も濃厚。講習生から、栗が入っているみたい!との感想も飛び出しました。ベレンではパイナップルも甘味と酸味がきんとんにちょうど良くて、小さく切って盛り付けのときに混ぜました。(もちろん生です!!念のため)

 

 

 

 

錦巻き」、こちらは何度もモジで作りましたが、一応ベレンの卵で作ってみました。ちょっと小さめだったので、8個のところを9個使い、砂糖はレシピ通りにしました。ブラジルの布巾は「パーノ」といって、日本のより厚めで大きい。したがって、今回はクッキングシートを使って巻いて、蒸し器で蒸してみました。いつも通りできましたので、講習会も「パぺウマンテーガ(クッキングシート)」を使いました。

 

   

   日本の布巾         ラップ         クッキングシート

 

 

ごぼう巻き」、日本では豚肉のロースの薄切りでごぼうを巻いて煮る物ですが、ブラジルでは「豚肉の薄切り」はまず売ってない!!塊を買ってきて、自分でうす切りを作らければならないのです。まずその前に、どの部位を買うか・・・ロースは「ロンボ」、まずこれで作りましたが、ぼそぼそ・・・次に、「ピカ―ニャ」、まだいつものコクが出ない・・・「ビステッカ」でやっとまあまあの味わいになりました。

 

  煮るときは平鍋・重ならないように    煮上がったら容器に入れて冷蔵庫へ

  

 

今回は煮物は「筑前煮」を作りました。鶏肉はもも肉を使いました。胸肉は皮がむいてあり、出汁にコクが出ないのです。もも肉は骨付きです。骨を外して、切り分けます。人参、里芋はいつもスーパーで売っています。ゴボウ、干しシイタケ、筍はやはり、日本食材店でないとなかなかありません。青味にさやえんどうを探しました。日本食材店にありましたが、日本の5倍以上ありそうでしたので、、青味は「冷凍のグリンピース」を使うことにしました。問題は「こんにゃく」、「しらたき」は見かけたのですが・・・事務局長のお母さまが自家用に作ってらしゃるとのこと、分けていただきました。講習会までに、そろえることができました。

野菜の切り方を「絵」を描いて渡して、参考にしてもらいました。みんな熱心に取り組んでくれました。やはり、人参の「梅の花」を型を使わずに包丁だけで切っていく方法は興味深かったようで、皆さん熱心に時間をかけて取り組んでいました。

 

ちゃんと実習ができることを確かめてから、講習会のお知らせをしようとおもって、結局、前日になってしまいました。楽しみにお待ちいただいていた方に申し訳ない事をしてしまいました。次回からはもっと早くお知らせできるようにしたいと思ってます。

 

ベレンで作った「正月料理」 口取り   煮物 筑前煮  

                   

  

 

ベレンは「えび」が名物の一つ。協会の事務局長のご主人が、この立派な海老を、講習会の当日、買いにいってきてくれました。えびは「海老」と書き、「長いひげや曲がった腰は長生きをした人間の象徴」で縁起がよいことから、その色鮮やかさも相まって、正月のおせち料理に「長寿」を願って加えられています。小ぶりのえびは「つや煮」にして、口取りに添えました。

 

当日は、以前、30人分の軽食を作った時、お手伝いをしてくださった方が、正月料理は大変でしょうとまた来てくださいました。毎日のお惣菜作りと違い、お正月料理は「裏ごし」とか、飾り切りなど手をかけて一年のはじめを祝う料理。お手伝いをしていただいたので、皆さんとゆっくりと料理ができました。

 

「おまけ」

飾り切りを野菜で作ると、切りくずカたくさん出ます。今回はニンジン、椎茸、ごぼう、筍の切りくずの一部と、腿の骨(周りに肉がついてます)を入れて「五目炊き込みごはん」を炊き、皆さんに召し上がっていただきました。さらに、筑前煮の煮汁にも野菜くずを入れて煮て、おから粉(日本から持ってきました)を加えて、煮ました、最後に卵を加えて、出来上がり。食材を最後まで使い切ることを覚えてほしいと思ってますが・・・