汎アマゾニア日伯協会の要請の一つに、「日本の家庭料理講習会」があります。これはできれば定期的に行いたいと思ってます。その第1回を10月27日に行いました。
「インスタグラム」にのせたところ、ブラジル人の女性が申し込みにきてくれました。朝のクラスに3名、仕事を終えてから参加できるのがうれしいと夜にも3名。

 

講習前の準備

 

今回の内容は「和食」。「かき玉汁」、「肉じゃが」、「鮭と野菜の南蛮漬け」、それに「日本米の炊き方」

 

日本料理を食べるには、やはり、日本米の「ごはん」が必要です。ブラジルは主食がごはんですが、米の種類も炊き方も全く違います。日系の方は「炊飯器」をお持ちですが、ブラジル人はあまり持っていません。なので、厚手の鍋でご飯を炊く方法を取り上げてみました。もちろん、米のとぎ方から実習しました。タイマーをセットして、時間と火加減をかえながらご飯を炊いたところ、初めは、ちょっと面倒ねとの反応でしたが、仕上がったご飯を食べて、「今までで一番おいしいご飯‼!」。「まきとお釜」のごはんとまではいかないまでも、炊飯器よりおいしく炊けたと思います。

 

「かき玉汁」でまず大事なことは、「出汁」。日本食材はなんでもあるとは言うけれど、さすがに「かつお節」は「削った袋入り」はあるものの、それは「高すぎて使い切れない」。したがって「風味調味料」として「ほんだし」が使われています。問題はその使う量。私が、1リットルに小さじ1(5cc)というと、ほとんどの皆さんが、そんなに少しでいいの?と必ずきいてきます。出汁がききすぎていては、本来の食材の味が生かせません。まずはそのことを知ってほしいと思いました。

もう一つ大事なこと、卵がきれいに固まるように「マイゼイナ(こちらの片栗粉)」を使うこと。

 

「肉じゃが」、明治時代以前の料理ではなく、文明開化により、牛肉豚肉が食べられるようになってから作られた日本料理。いろんな説がありますが、「ビーフシチュー」が基になっているとよく言われます。日本に海軍ができて、その頃世界で一番強かった英国海軍から学ぼうとして「ビーフシチュー」を取り入れようとしたものの、「赤ワイン」が高かったので、もっと日本らしくならないかと・・・出来上がったとか。今、肉じゃが発祥の地と言われているのが、京都の舞鶴、広島の呉、両方とも海軍の軍港のあったところ。

ブラジルは、肉じゃがの食材に不自由しない。ポテト、玉ねぎはスーパーでもフェイラでも山と積まれています。なんといっても「牛肉」に不自由しません。ただし塊で売られていますから、料理に合わせて切らなければなりませんが・・・青味には、日本のブロッコリーが「ブロッコリーにんじゃ」として売られています、ただしちょっと値段が高い。茹でてから使います。もっと手軽なのが、「グリンピース」、冷凍でたくさん売られています。これでしたら、醤油で味付けをするときに、凍ったまま加えればちょうど仕上がるころにおいしくなります。

 

 

 

「鮭と野菜の南蛮漬け」、チリで養殖している鮭がたくさん入ってきています。ブラジルの皆さんは大好きです。野菜は今回はピーマンと玉ねぎにしました。「アーリョポーロ」という太い葱(ポワロ―葱)も一見、堅そうでしたが、思ったほど固くなく、おいしくいただけました。

ブラジル人には「甘ずっぱい味」は苦手かと思ったのですが、「寿司が大好き!」なのですから、大丈夫とアドバイス。「南蛮酢」は辛いのなら、きっと口に合うとのこと。朝も夜も。気にいってもらえました。

 

 

講習しているとその様子の写真は自分ではなかなか取れません。夜のクラスに、同期のボランティア隊員も参加してくれて、パチリ。

 

  

 

          手前左がごはん・右が汁  向側 左が煮物 右が酢の物

 

本当は、肉じゃがは「煮物椀」、酢の物は「小鉢」と料理によって器の形、大きさが違います。なかなかブラジルでそろえるのは難しく、そこで大皿盛りで取り分けてもらいました。

 

 

次回は11月24日木曜日、、本日インスタグラムに載せました。今回は中国風の料理を講習します。ご興味のある方はぜひご参加を!!