南砂町から北上すると、亀戸に辿り着きますが、その間に銭湯が数個あるので、母の面会の帰り道に一つずつ寄ってきました。


江東区も銭湯が多い方ですが、写真が少なくてイメージ出来ず、あまり期待してなくて、また、記憶にも薄かったのですが、辰巳湯は、その中で特徴的でした。


湯船が中央にドーンと広く占め、コの字型に洗い場が並びます。電気風呂、ジェットバス、寝湯なども押さえていますが、サウナとは別に、低い扉があり、水風呂と露天風呂が別室に続きます。その奥に整い場所ごあり、テレビがついていました。不思議な空間。隠れ家みたいです。


3人の少女達は、水風呂で、まるでプールのようにはしゃぎ、露天風呂では長いポールに3人跨って、海でバナナボートを楽しむかのようにプカプカし、整い場所の奥の間では、リクライニングシートをシーソーのように、ギッコンバッタンして騒いでいました。


保護者はなく、男湯にお父さんがサウナに入っているから、早く出ても待たされる、まだ居ようよと言う会話が聞こえてきました。


先に私は別室を後にしましたが、、男湯から、ときおり、一人の少女の名前を呼ぶ声が微かに聞こえてきます。


リリー、リリー。


遠慮がちの声なので、女湯の洗い場では、かき消され、もっとも別室にいる少女たちには届きません。


お風呂を上がって着替えている時も、娘の名前を父親は呼んでいました。


リリー、リリー。


恐らく、永遠に届かない。

父親は、かなりの時間待たされそう。

リリーを和訳すれば、百合。

他人の気持ちにお構いなしなところが、この名前の共通点なのか。


因みに、他の二人の少女は、アンナとルルと呼ばれてました。少女だから、かわいいけれど、学校でいじめにあったり、年取ったら、ギャップありそうです。


特に、ルルって、風邪薬、頭痛薬?本名でなく、あだ名であることを祈ります。