新宿から西武線に乗り、井荻下車。
ぶらり電車の旅、、、ではなく、杉並銭湯のスタンプラリーで、井草湯に来たついでに、前から気になっていたやきとり屋さんを覗きました。
「悪いねー、あと30分掛かるわー」
「またくるね」
30分時間潰しに向かったのは、商店街の外れの、ひとけが少ない、とある小さな食堂。
カウンターと、二人掛けテーブル一つと、四人掛けテーブルがひとつ。
洋食屋さんで、ランチの他に、夜は17時から営業中。
ナポリタンを頼むと、大きな2つのフランクフルトを解凍して温め出す。なるほど、ベーコンやハムではなく、豪快にもフランクフルトのぶつ切りが具のメイン。
脇役は定番のピーマンと玉ねぎの他に、しめじもちらりと横たわる。パスタはアルデンテで固め。ナポリタンなのに、太いゆで麺ではなく、スパゲッティーというより、パスタなのだ。
ケチャップソースは、程よく甘め。
パルメザンチーズもデフォルトで、トップにかかっている。
これは間違いなく、美味しいヤツ。
値段は850円。BGMが、ロックな感じで、また良い。
他に客は無し。でも、下町のナポレオンこと、いいちこのボトルキープが棚に並んでいるので、遅い時間は、きっと馴染客がいつまでも帰らない店なのだろう。と想像しながら、30分経過。
約束のやきとり屋さん、千成に向かうと、炭が、いい塩梅に温まっていて、おじさんは私が来るのを待っていた。
「よっ!ちょうど、空いてきた頃よ。何にしますか?」
「ももと、レバと、皮と、ナンコツと、タンと、砂肝を一本ずつ、ください」
「あいよ!ここから、どのくらい掛かるの?遠い?」
「1時間かな」
「随分遠いね。どこから来たの?」
「世田谷から。杉並区で銭湯のスタンプラリーやっているから、井荻に来たの。前にもこの前を通りかかって、美味しそうだったから、今日は絶対食べると決めてた」
「じゃあ、ここで、食っていきなよ。」
「人目が気になるなー。立ち食いして、邪魔にならないかなあ」
「全然、最近のやつらは、他人のことなんか、なーんにも気にしちゃいねえよ。熱々食っていきねえ」
「そ、そんなもんですかね。まあ、今日は寒いから、人通りも少ないから、邪魔にはならないかな。では、遠慮なく」
「ここのタレは旨いよ。塩も後から少しかけるだけで、ぜんぜん他とは違う味だよ」
「持って帰るなら、塩だけど、ここで食べられるなら、タレにしようかな?」
「ん、じゃあ、レバと皮とももをタレにしてあげるよ。一本ずつ渡すから、熱々を食っていきねえ」
「うわあ、このタレのレバ、赤ワイン煮の濃厚なやつみたい!うまっ!」
「隣の店でビールでも買ってきたら、良かったね」
「いやあー、流石にそれは。。。」
「なに、誰も気にしないよ。またこの辺の銭湯来るの?その時はビール買ってきねえ」
「スタンプラリーなんで、他の銭湯行くから、この辺は来ないんだ。だけど、毎年スタンプラリーしてるから、また来るよ。その時はビールで、やきとり食べさせてね」
6本食べて690円。もし、隣のスーパーで缶ビール1本買っても、千円以下。
下町じゃないけれど、穴場の店を見つけちゃいました。
やはり、やきとりのマイブームが、来てます、来てます。