自分で作らないと、決めたけれど、食べたかったので、阿佐ヶ谷のイベントに乗っかりました。


昼間から食べさせてくれる居酒屋さんは3軒ほど。小雨が降り始めていたので、駅から近いところを選びました。


箱根駅伝を見ている先客2名の中に入るのは勇気がいりましたが、店主から、「今日は特別営業で、通常とはちがいますが」と言われ、逆に「お雑煮食べられますか?」と確認できて、良かったです。


通常じゃないなら、お雑煮だけ食べれるかなーと思いましたが、「うちは、居酒屋なんで、お飲み物を注文してください」ときっぱり。寒かったので、冷たいものは飲みたくなくて、熱燗と言うのも、ちょっと違っていて、しょーがないので、烏龍茶とお雑煮。


焼き鳥が食べれたら、ビール飲んでも良いかなとはじめは思っていたのですが、注文出来るのは、簡単な一品料理だけだったので、お雑煮だけで良いやと思ったんですね。長居するつもりもなかったので。


ワイワイ騒いでいた二人の先客は駅伝が終わって帰りましたが、私が入店した後に、女性がひとり、入ってきたので、店主と、私たちだけに。


お雑煮は関西風で、白味噌でした。

私は関西風を食べたことがなくて、興味津々でしたが、声が出ないので、黙ってました。


そこに、店主ともう一人の女性が、お雑煮の話をし始めたので、声は出さないけれど、相槌打ちながら、話を聞くことができました。


店主、お客さんのうちのお雑煮はどんな感じ?

女、うちは、鶏肉と三つ葉と大根とにんじんとなるとが入って、お吸い物風。神奈川です。


店主、へえ、関東風だね。うちの嫁さんが埼玉だけど、同じ感じ。結婚して初めて、白味噌じゃないお雑煮で、びっくりしたよ。


女、私こそ、白味噌のお雑煮は初めてです。


店主、雑煮って、自分ちのしか、食わないもんね。他人ちの食べる機会、まずないからね。


女、白味噌はスーパーで買えますが、お雑煮に使わないですね。


店主、白味噌はお雑煮用よ。赤味噌は寿司屋で出てくるみたいな味噌汁。合わせ味噌は普段の味噌汁。




確かに、よその家のお雑煮を食べるって、ないです。親戚の家なら、まあ、あるけれど、それは、うちと同じ関東風なので、珍しくはない。


白味噌がお雑煮の為の味噌とは、知りませんでした。


白味噌は甘いので、冬になると、甘みが欲しくて、お味噌汁にしてました。


この店のお雑煮は、里芋とにんじんと大根と飾り付けの青菜が入ってました。里芋と白味噌が合う。


お餅は丸くなくて、焼かないで、レンジで温めた物を鍋に入れてました。それでも、柔らかい。

他人が作ってくれるお雑煮は、やはり美味しい。


正直言って、うちのお雑煮はあまり好きではなかったのです。


父がお餅をトースターで焼き、毎回、「何個、食うか?」確認されて、母が、鶏肉と、三つ葉と、ほうれん草とナルトが入ったお吸い物の鍋を温め直す。ずっと続く当たり前のことと、思っていたんですよね。一昨年が最後になると思わずに。


毎回、父が「ちょっと焦げちゃった」と、焦げた部分を包丁で削ぐ。毎年、毎年、同じことの繰り返し。トースターから目を離さなきゃいいのに。他に何かしているわけじゃないのに、毎度焦がす。


焦げたお餅の味がするお雑煮は、もう食べられない。好きじゃなかったけれど、懐かしくなるものです。