↑のつづき。

さて、板野郡板野町を後にして車で10分。

次の舞台は同じく板野郡の上板町。

その地名は『神宅(かんやけ)』❗

超重要な地名である。

ここは裏参道かな❓️


回り込んで表から入ります。





たどり着いた。



鳥居の扁額は
『鹿江姫神社・葦稲葉神社・殿宮神社』。








凛々しき狛犬。



恒例の「狛犬の見る景色」。

雨の神社もまた素敵。



拝殿。

国史見在社(式外社)
『葦稲葉(あしいなば)神社』

鎮座地 徳島県板野郡上板町神宅字宮ノ北
創健 不詳
通称 殿宮さん・葦稲葉大明神
祭神 葦稲葉神(倉稲魂命)


合祀されている『鹿江姫神社』 は、
なんと延喜式内社の論社である。

本殿は、殿宮とともに二社並んでいる。

『葦稲葉・殿宮神社御造営記念碑』
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葦稲葉神社は葦稲葉大明神と号し
倉稲魂命鹿江比売命を
殿宮神社には素盞鳴命を 
夫々主祭神として奉祀せり神宅の地名も 
亦當神社と由緒浅からぬもの有り
この三社大明神特に式外社とす
神位高き葦稲葉神社は由緒厚き古社にして
人皇五十四代仁明天皇
承和九年從五位の下を授けられ 
五十六代清和天皇
貞観九年四月二十三日從五位の上を授けられ
同十六年三月十四日從四位の下を授けらる
五十七代陽成天皇
元慶三年六月二十三日從四位の上を賜る
斯く古来上下厚き尊崇を受けたり

しかるに當神社の御拝殿並に
御輿庫は幾十星霜を経て
老朽は著しきため御神慮を 畏みまつる
氏子崇高者その総意を結集して
曩に御造営奉賛会を結び熱誠を以って 
多額の浄財を寄進す

氏子総代をはじめ奉賛会役員委員一同
誠意を盡くし昭和の御造営見事竣成す
茲に神徳崇高なる葦稲葉殿宮神社御造営の
概略を記し永く後世に傳へんとす

昭和六十年六月吉日
葦稲葉・殿宮神社 宮司 稲葉 文雄
葦稲葉・殿宮神社 氏子中
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宮司さんの御名前も稲葉

葦稲葉神社や合祀された鹿江姫神社も
元は別の場所にあったが、
山崩れや焼失などにより、
現在の場所に遷されたのだそうな。

そして、葦稲葉神とは倉稲魂命。
つまり、
阿波の国魂神『大宜都比売命』である。

本殿には2社並んでおり、
左側が葦稲葉神社、
右側が殿宮神社である。

ちなみに殿宮神社の祭神は『素盞嗚尊』。




鹿江姫の正体には二つほど説がある。
大山祇神の后『鹿屋野比売命』説と
大麻比古命の子『千鹿江比売命』説である。

実際に、式内社鹿江姫神社論社のひとつ
『野神社』は、大麻比古神社の境内社である。








横から本殿。


ぐるっと回ってみる。

良い雰囲気だ。







しっかり『地神塚』もある。



















付近にこんな場所が。。



大山寺』❗
四国別格二十霊場一番札所である。
鎮座地は徳島県板野郡上板町神宅字大山❗

ホームページによると↓
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西暦500年頃
武烈継体天皇の御宇西範僧都の開基にして
阿波仏法最初の道場で、
弘法大師が阿波入国の砌、
堂塔を整えられ仏王の山号を奉り
恵果和尚より授かりし、
千手千眼観自在菩薩の尊像を奉安し、
四国霊場開創の根拠地とされる。
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たしか通説では、
日本最古のお寺は奈良県明日香村の
『飛鳥寺』で6世紀末頃創健、
あるいは、
同じく明日香村の向原寺だったはず…

もしかして大山寺の方が古いのでは…


大山寺』への入り口。

大山寺よりさらに奥に鎮座する
奥之院『黒岩大権現』。

阿波古代史のバイブル
『道は阿波より始まる』によると
黒岩大権現は元々、
大山住大明神』だったのだそうな。

かつて、

板野郡上板町には『大山村』があった。


村名の由来は、

徳島と香川の県境にある

標高約691mの大山からだろう。


上板町は1955年の吸収合併以前は

松島町、大山村、名西郡高志村

別れていた。


鹿江比売が
鹿屋野比売命(草祖草野姫・野椎神)であれば
大山祇神の后神。

鹿屋野比売命と大山祇神の娘である
木花咲耶姫』を祀る神社も
付近に鎮座しており、地名に残っている。

板野(いたの)は元々、
アタ』と呼ばれていたのだそうな。

阿多之小椅君の妹である

神武天皇の后阿比良比売(アヒラヒメ)』。


阿比良比売が祀られているのは全国一社

徳島県板野郡藍住町

伊比良咩(イヒラヒメ)神社』である。


ヒラヒメ』が『ヒラヒメ』に

なっているように、

板野(いたの)」の地名は

阿多(アタ)」が転訛した言葉。



木花咲耶姫の別名は、
『神阿多都比売(カムアタツヒメ)。

アタの姫という意味である。

「阿波国続風土記」↓
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此板ノト云根元ハ神宅村
板野神社ヨリ起レル名ナリ
此神飯田姫ノ命ト云本名ハ吾田鹿葦津姫ト云」
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吾田鹿葦津姫もまた木花咲耶姫の別名であり、
鹿屋野比売命の娘であるとともに、
字面からは葦稲葉神とも通じる神名である。

そして、板野郡は元々
葦田野(イタノ)郡だった❗




大山祇一家勢揃いの板野郡周辺。

殿宮の素盞嗚尊。

板野郡の地名『矢上』はヤガミヒメ。

板野郡の『名田橋』はクシナダヒメ。

イナバの国を連想させる葦稲葉神。

付近に残る『高志』の地名。

出雲神話が勢揃いの阿波の謎。


そんな中、次なる神社は
白い鳥になった神が祀られている。


つづく。

ではまた❗