↑のつづき。

さて、金沢市⇒富山市と続いた北陸編から、舞台は岐阜県の飛騨高山へ。

富山駅から始発のJR高山本線ひだ号に飛び乗った。

「飛び乗った」と表現したのは、急いだワケでも勢いで乗ったワケでもなく、押さえきれないワクワク感によるものである。

富山を出発した時は雨だった。

出発した電車は山の中へ入っていき…


雪だ。

吹雪いている。

こんな雪を見たのは何年振りだろうか。



ひだ号は神通川沿いをゆく。

神様はこの神通川を降りてきたが、ワタシは川を登っていく。




岐阜県に入ると、神通川は高原川と宮川に別れる。

ワタシの乗る電車は宮川沿いを選ぶ。



電車から見る景色って飽きない。


そして、富山駅から1時間半、目的地である高山駅に着いた。

高山市の天候は、雪がちらつく程度。

晴れ間も少し覗いていた。

でも寒い。

初めての飛騨高山は、駅を降りた瞬間から、「この町なんかある」と思わせてくれる独特の雰囲気があった。

昼過ぎには仕事を終えることができた。

すぐにワタシはバスに乗った。

本当には電車で一駅で行けるのだが、いかんせん本数が少ない。

下呂バスセンター行きのバスで15分、飛騨一之宮のバス停で降りた。

実はあまり「一の宮」には縁がないワタシだが、飛騨の一の宮にはご縁があったようだ。



バス停からすぐに鳥居が見えた。



近くには宮川が流れる。

今回の出張は、この川とともにある。

「宮川」の名の由来は、これからゆく飛騨一ノ宮がこの川の源流付近にあるからである。



近づいて参りました。


この神紋を見たかった。



ついに来てしまった。

飛騨国一宮『水無神社』である。


立派な鳥居。



あまり見たことのない表情の狛犬。






伝説のヒノキ『ねじの木』。

伝承では、斬り倒そうとしたら、自然とねじ曲がった。

人々は祟りだと恐れたらしい。
 
日本の伝承には『タタリ』関連が多い。

『タタリ』という言葉の由来説には、面白いのが色々とありますよね~。





この大杉もスゴい。

樹齢推定800年を越える神樹。

明らかに境内の他の杉とは違う。




この中には、二体の神馬。

稲喰神馬(黒駒)と祈晴の神馬(白駒)。





白山神社。

ダムの湖底に沈む前に遷座された。




カエルさんがいた。


手水舎。


清めはしたものの、スッゴい水冷たい。



拝殿。

飛騨国一宮『水無神社』

鎮座地 岐阜県高山市一之宮町
創建年代 不詳(好きな響き) 
ご神体 位山
主祭神 
  御歳大神(水無神)
配神
  大己貴命
  三穗津姫命
  応神天皇
  高降姫命
  神武天皇
  須沼比命
  天火明命
  少彦名命
  高照光姫命
  天熊人命
  天照皇大神
  豊受姫大神
  大歳神
  大八椅命

さすが一ノ宮。

錚々たる顔ぶれである。

第二次世界大戦末期、空襲や終戦直後の混乱を避けるため、熱田神宮の御神体『天叢雲剣』が、当社に一時的に避難した。

天皇の象徴である三種の神器が移動したという歴史的事実と、それを護ることの出来た水無神社。

やはり、この地はとても重要な場所なのである。




社名の「水無」だが、恐らく漢字は当て字。
この辺りには宮川含め、水は豊富なはずだ。

「水を成す」や「水主(みぬし)」が語源という説が有力。

「水主」は「スイム」とも読み、英語の「泳ぐ」という意味の「swim」を連想させる。

まあ、言葉は元はヒトツだったということだろう。


雪の残る境内。

運良く、車のお祓いをしている時に遭遇し、祝詞を聴くことが出来た。

かっこいいよな~ 祝詞❗


十六花弁の菊花紋章。

それはそうであろう。

当社のご神体『位山』は原初の神が舞い降りた場所であり、十六柱の王子達(あるいは八組の男女ペア)は、この地から十六方位(あるいは八方位)の世界各地に散らばって統治したという伝承があるのだから。


『位山』こそ、2021年12月より始まった『出張の合間の神社巡り』の最終目的地だった。

位山への憧れは、その時の記事にも書いてある↓
位山の重要度は、天皇の持つ『笏(しゃく)』を知れば、誰しもが納得してしまうのではなかろうか。

ちなみに、『笏(しゃく)』は中国から来たとも言われているが、さらに遡ると古代ペルシャの王権の象徴としても描かれている。

恐らくさらに遡れば、古代メソポタミア、シュメール神話の王権の象徴である『プック(輪)とミック(棒)』にたどり着くだろう。

それは一周回って、
「結局元々は日本からだった…」
なんてことも無きにしもあらず。


先日赴いた御皇城山に祀られていた神様も、位山と繋がっている。




飛騨一宮稲荷大神。



拝殿の周囲を水が流れ、魚が穏やかに泳ぐ。

鯉かな❓️



当社ホームページによると、境内の摂社稲荷社や末社白川社、そして拝殿の左右の回廊に飛騨国中の主要な神々や産土神などの八十八社を奉斎しているとのこと。

八十八社という数にも勿論意味があるだろう。

8+8=16。

十六花弁菊花紋。


『八十八』と言えば、当然ながら四国を思い浮かべるが、実はこの今回の旅の後、ついに紡がれることになる。

それはまた、別のお話。




拝殿の左手から裏にいく道がある。



横から本殿。




チバカの桂。

宝が埋められている…とも言われている。

ロマンだ。



推定450歳のカツラの木。

ワタシの10倍以上生きている大先輩である。

ご挨拶が遅れてすみません。







木が良い。
 

もう一度言う。

木が良い。





このカエルさんも考察のひとつとなりえるだろう。



もう一度、最後に鳥居横の神杉。

この杉ホント好きだ。


神の橋を渡って帰りましょう。


今回は川を辿る旅だったように感じる。


なんか名残惜しい。


少し晴れ間が覗いてくれた。

とにかく、憧れの水無神社に参拝出来たことが嬉しい。

「行けるワケないよな~」と思っていたのですがねぇ。

水無神社の祭神『御歳大神』は、大歳神と香用比売の御子神である。

大歳神の兄弟(兄妹?)には、宇迦之御魂神。

大歳神たちの両親は須佐之男命と神大市比売。

先日、金沢で神大市比売を祀る神社に行った↓

つまり、神大市比売は御歳大神のお祖母様。


そして、神大市比売は『オオヤマツミ』の娘である。

オオヤマツミの御子神は実は多い。
※勿論、オオヤマツミという神名も本名ではないので、一柱とは限らないが。


オオヤマツミこそ、最近ワタシが一番記事にさせて頂いており、個人的に超重要な神様。


その本拠地は四国にあるのだ。


八+八なのである。


この「点」は後で繋がってゆく。


さて、富山市街に戻りましょう。


まだ日が暮れるまで時間はあるのだ。


つづく。


ではまた❗


2023/01/18



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