↑のつづき。

さてさて、チタル邦のヒカワで、モチコら日の神の反対勢力が集まり出した頃、モチコとハヤコに利用され、セオリツ姫暗殺計画に巻き込まれたソサノヲは、謀反の中心人物にされてしまった。

しかし、本人に全く自覚が無い為に、罪に問われることは無かった。

とは言え、ソサノヲは日の神アマテル大御神の弟君。

そんなソサノヲに対する周囲の見る目は、冷たいものとなってしまった。

ソサノヲは居心地の悪さを感じ、まるで子供の頃に戻ったように荒れていった。




神田の稲の成長を妨害したり、田んぼの畔を破壊して干上がらせたりと、アマテル大御神の政事を妨げ、『新嘗(ニイナメ)祭』の初穂が心配されるほどの事態に陥った。




また、新嘗(ニイナメ)祭でアマテルが着用する神御衣を織る場所『斎衣殿(インハトノ)』を汚してしまった為、アマテルは激怒し、ソサノヲの斎衣殿への立ち入りを禁じた。


それに逆上したソサノヲは、斎衣殿に斑の馬を投げ入れた。

すると、斎衣殿内で神御衣を織っていた『ワカ姫ハナコ』は下敷きとなり、「梭(ヒ)」が身体に突き刺さり、死んでしまったのだそうな。
※「梭(ヒ)」とは、機織り機の付属用具のひとつで、「杼」の字でも用いられる。
「シャトル」のこと。
スペースシャトルの語源でもありますね。





この一連の話は、古事記では「天の機織女」が、機織り機の用具が陰部に刺さり死んでしまった話である。

大きな疑問点は二つ。

①亡くなったワカ姫ハナコの名が、機織女として濁されていること。
※ちなみに日本書紀の一書にはワカヒルメ(稚日女尊)との記述あり。

②「機織り」や「馬」の記述が多く見られ、少なくともこの逸話の元になった話は、それほど大昔ではないということが伺える。
※斑の馬とは「鹿」のことだともされているが。


また、「陰部に刺さり死んでしまう」の描写は、明らかに乱暴されたこと、あるいは関係を持ったことの比喩である。
※丹塗矢もしかり



さて、アマテル大御神は、大事な正妃セオリツ姫の妹であるワカ姫ハナコが死んでしまったことで大激怒し(そりゃそうだ)、ソサノヲに「お前のような卑劣な者に国など任せられぬ❗」といい放つ。


兄と違い、君子教育を受けていない為、強いコンプレックスを持っていたソサノヲは頭に血が上り、岩を蹴散らして暴れ出した。


アマテル大御神は、身の危険を感じ、岩室に入り戸を閉ざしてしまった。


これが「天の岩戸隠れ」でございます。


つづく。


ではまた❗


参考資料↓


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