新調したキーボードでこれを打っている。


そのキーボードは黒なのだが、売り場では気にもならなかった文字の色が、実際に使ってみると、なんとも「白」というより限りなくグレーに近い。


こんなに色が薄かったかしら。


これで判別できるものだろうか。


些か凹む。


相変わらず買いものが下手だ。


幾つになっても上達しない。


気を取り直して本題に入る。


堀田善衛氏の「方丈記私記」については何度か書いた。


僕の持っている文庫本は古本屋で買ったものだが、そこに前の持ち主であろうか、走り書きのサインが書かれていることも以前に書いた。


以来、気にもとめなかったのだが、ふとこのイニシャルが頭のなかで閃いた。



fractus



まさか、ね。


あの、遠藤周作氏ではないだろうね。


そんなことはないだろう。


ないだろうと思いつつ、そんなこともあるかも知れないと勝手に楽しんでいる。


如何だろう。



nogawan