学校の音楽祭で泣いちゃったという話を中高生の子を持つ親御さんからよく聞く。合唱は時に素人の方が圧倒的に感動的なことがある。逆に下手に訓練されたプロの演奏にシラケることがある。むろん、第一級のプロとは確かな技術の上に素人のエセンスを失わずに持っているものだからそれは別格としたい。だから、技術的な上手い下手ではなく、聞き手をホロリとさせるかどうか、というのであれば、上手い下手はほとんど関係ないのだろう、と云う事を最近よく考える。何かが降りてくるかどうか、の差なのかも知れないとも思うけれど、では、どうしたら「降りてくるのだろうか」となると、それは技術の問題などではなく、元気いっぱい大きな声で歌うかどうかなのかも知れない、などとも考えたりする。


とは云っても、決定的に音が下がっていたりするのは気持ち悪い。基本は守らなくてはいけない。なかなか泣ける演奏は少ないというのもまた現実なのだけれど。

nogawan