一般に、女性は閉経前後になると、心身の不調を訴えるようになります。いわゆる更年期障害です。過度のほてりや冷えを感じたり、頭痛や肩こり、むくみなどを訴えたり、強い徒労感や倦怠感に悩まされたりします。
わけもなくイライラしたり、情緒不安定になることも多いようです。加えて、この時期の年齢にある女性の人生には、さまざまな節目が待っています。両親の病気、介護、死、子どもたちの自立、結婚、出産、配偶者の退職や、人によっては引越しなど。
それまでの生活を大きく変えることになる人も少なくありません。それが悲しいことであれ喜ばしいことであれ、そのような人生の転換は心身に大きな負担をかけます。ただでさえ更年期障害で心身のバランスが崩れているところに大きな出来事が降りかかってくるわけですから、そのストレスは本人が想像している以上のものだと考えていいでしょう。それが発端となって、ウツ病を発症してしまう女性はたくさんいると言われています。
いわゆる「更年期ウツ病」と言うのは、単なる俗称で、そういった病名があるわけではありませんが、かように更年期にある女性がウツ病にかかりやすいことは確かなようです。
ウツ病が発症するきっかけの一つとして、何か大きなことを終えた後の「燃え尽き」があげられることが多いのですが、両親を見送ったり、子どもを育て上げたりした女性は、一時的に燃え尽きた状態にあることが多いようです。そこからうまく脱却できればいいのですが、ずるずるとその気分を引きずってしまうと、そのままその気分がウツ病へと発展していく可能性が高くなります。
燃え尽きている状態が既に軽度のウツなのですが、それが更に悪化してはっきりとしたウツ病という病名につながっていくのです。
また、更年期や初老の年齢になると、誰でも身体的な不調を感じるようになります。疲れやすくなったり無理がきかなくなったりするのは当たり前。ですが、そういった身体の不調がすでにウツ病の症状であることも考えられます。
尋常でない疲れやすさやだるさを感じ内科へ行っても異常が認められなかったら、一度心療内科や精神科を受診することを考えてみてもいいでしょう。単なる加齢に隠れていた精神的な疾患が見つかる可能性もあるかもしれません。早期に発見されれば治療もたやすく、更年期障害自体も緩和されるかもしれません。