今や現代病とも言われているウツ病。概念自体は古くからあった病気ですが、ここ数年の日本でその患者数は爆発的に増えているのだと言います。その背景には人間関係の複雑化、コミュニケーションの不足、未曾有の災害や相次ぐ不祥事、不景気などストレスフルな環境が関係していると言われています。中でも仕事のスタイルは、ストレスを助長させ、ウツ気味の人間を増やす要因となっているようです。
24時間体勢の勤務形態や深夜までの残業が当たり前の日本において、過労で心身の状態を崩したと言う人の話は枚挙に暇がありません。実はこの過労が、ウツ病発生に直接的につながることが多いのです。過労が続くと、ウツ病以外の精神疾患にかかりやすくなることも、研究から分かっています。
長時間労働や休日出勤が続けば疲労がたまるのは誰でも一緒です。それが一過性のものなら問題はないのですが、何ヶ月も、時には何年も続いてしまう場合、本人は何ともなくても心身があびるストレスは相当なものになっています。
ただの疲労だったはずが、芯からの疲労になってしまったら、ウツ病の一歩手前と考えていいでしょう。その頃には、だるさや眠気、情緒不安定に悩まされる場面も出てきているはずです。また、大きなプロジェクトや重大な役割についてプレッシャーを感じることは心身に心地よい刺激をもたらしますが、それが過度に続くとやはり悪いストレスに変わってしまいます。
転勤や職場環境の変化も同様に、心身に負荷をかける事柄です。加えて、理解のない上司の下にいたりすると、ストレス値は上がりきってしまい、疲労を感じやすい心身になってしまいます。
この段階で、うまく気分転換をしたり休日をとったりできればいいのですが、それができずにいると、慢性的な疲労状態に陥り、まもなく燃え尽き症候群のような無気力感に襲われることになります。
こうなってしまうと、ウツ病の第一段階だといえます。何をしても楽しくない、笑えない、食欲がない、起き上がれないなどがそのときの症状です。この状態のときに、結婚や引越し、介護、事故、知人の死など何か大きな出来事が降りかかると、完全にウツ病が発症してしまうだけでなく、自殺衝動にかられる危険性も出てくると言われています。
疲れがたまっているなと感じたら、自分の過労、そしてウツの傾向がないか、一度振り返って見ましょう。軽度の内にしっかりと休めば、事態はそう深刻にはならないはずです。