「ここか…」
アレルがサザンの占いで教えてもらった
シャハンの町外れにガリュウで到着した。
ルアーガを出て、まだ10分ほどしか経過していない。
ガリュウはアレルが急ぐにあわせ、何も云わず
その場から消えた。
報酬は後日、に。そう言いたげな視線をアレルに送って。
このあたりのはずだ。
しばらくまわりを観察しよう。
アレルはマントに魔法をかけると、それをかぶり、姿を消した。
今、この瞬間にもゼイラの身に危険が迫っているかもしれない。
逸る心を抑え、静かに待った。
すると、一人のシャハンの少年が周りに誰も居ないのを確認した様子で
用水路の金網を開き入っていくところが見えた
「地下水路に?」
アレルはなにかデジャヴュを感じた。
以前、似たような光景をどこかで見たきがするのだが…
それは、まぁいいとして、とりあえず先を急ぐか。
アレルはそう自分に言い聞かせると
マントを被ったまま、アレルはこっそり少年の後に続き
静かに用水路を降りた。
音をたてないよう、最大限に注意しながら
アレルは少年を追跡する。
地下水路は思ったより複雑な構造だった。
しばらく迷路のように入り組んだ水路を入ったのち、
広い空間に至った
そこには見知った人物が中央の王座たらん椅子に腰かけていた…
「ローレン!」
アレルはすぐさまマントの消える魔法を解いた。
アレルが後をつけていたことに気付かなかった少年はビクっと身をすくますと
ローレンを守るようにアレルの前に立ちふさがった。
ローレンは少年に手招きすると、自分の椅子の後ろに
庇うように移動させた。
「ひさしぶりだね、アレル・シード=ルアーガ」
ローレンというのは、第2話で誘拐されたと思われていた
エドワーズ国の王子だ。
実は誘拐というのは全くのブラフでローレンは盗賊団の団長になっていた。
自らを誘拐したと王に身代金を要求し、それが叶うと一度国を出払ったと
聞いていたが…今はシャハンに身を置いていたとは。
その移動の経緯などはこの際どうでもいい。
アレルはゼイラとローレンの因果関係について
思いを巡らせた。
マルケルもこの件に噛んでいるのか?
アレルは盗賊団にとっては恩人と言えなくもない活躍をしたというのに
このしっぺ返しはなんだ?
マルケルにも、結果的には男を捨ててもらうことになったが
決して恨まれているとは思えないのに…
アレルは気分を荒げた。
「…ゼイラに何をした?」
アレルはこの数秒のやりとりから、ゼイラをさらったのは
このローレンであることを察した。
「この国の宦官、マルケルを知っているだろう?」
「…」
いつもはポーカーフェイスなアレルの顔に怒りが満ち始めた
「もちろん、知っている」
「彼が、ゼイラについて面白い書物をみつけてね」
「とにかく、ゼイラを解放してほしい」
「書物の内容、気にならないのか?」
「…それはゼイラを確保させてもらってからで構わない!」
ブゥン!
アレルの焦りは頂点に達し、中空から大剣を取り出すと
ローレンスの眼前に翳した!
「おいおい、まぁ、焦るなよ」
さすがのローレンも面食らった様子だ。
「これが焦らずいられるか!」
アレルの顔がみるみる怒りに赤く染まっていく。
それだけ、アレルにとってはゼイラは大切な存在であることは
ローレンにも否応なく伝わる。
「結果的には、君にも得になる情報なんだよ?」
「いいから、ゼイラを返せ!」
アレルはそういうとローレンが目くばせした通路に走った。
「ゼイラ!」
通路の先には扉があった。
そこを、炎の魔法で一気にぶち抜く!
ボガン
その場の全員が
あまりの衝撃に驚きアレルを見た。
そこにはアレルが最も恐れた光景が広がっていた。
第33話 さらわれて ② 終わり ③に続く…
***
ゼイラのピンチです。
もう締めの予定でしたが一旦②で区切りました
…そのほうが盛り上がるかなぁ~なんて(爆)
続きは③です。
ゼイラは無事なのか!?そして
彼らの目的は?
二人の今後は!
続きは近いうちに。