「おう、こっちこっち」
待ち合わせ場所でフォースが手招きしている。
「それで、占い師はどこだ?」
「あっちの道のどん詰まりだよ」
3人はそちらに向かって歩き出した。
「俺、リンガイアってはじめてだ。」
「お前はほとんどの国が初めてだろ」
「えへへ、そういわれるとそうだな。」
ゼイラが相変わらずの減らず口をたたいている。
「占い師の名前はサザンっていうらしい」
「へー」
「とにかく当たるって専らの評判さ
ついにはリンガイア王も占ってもらってるらしいぞ」
「まじかよ」
そうこう言っているうちに
道のどん詰まりに小屋が見えてきた。
天鵞絨の天幕に覆われたごてごてした
いかにも占い屋らしいつくりだ。
占いが当たると評判であるからして
数人が列をつくっている。
しばく並んだあと、順番が来た。
「しつれいしまーす」
「いらっしゃい」
占い師、サザンはピンク色の緩やかに
ウェーブした髪に占い師らしい装束をした
小柄な女性だった。
薄手の露出の多い服装にすこしドギマギする。
席の前には水晶、
石のついたダウジング用のペンダント各種に
タロットカード星座盤…どうやら場合に応じ
マルチ的な占いを行うようだ。
「何を知りたいかは顔みたらわかるわ」
サザンはニコリとして言った。
「地図もってるみたいね。出して」
サザンはアレルが取り出した地図に
手に持って揺らした青い石のダウジングペンダントの動き
を頼りに2か所×印をつけた。
「ここに行けば目的のものは見つかるはずよ。」
あまりにスピーディーな占いにぽかんとした
一行であったがアレルが気になることを聞いた。
「この×印、片方はカートライトのはずれだけど
もう片方は海の上になってるが…」
「行ってみるとわかるはずよ」
「はぁ、」
「さあ、次のお客さんに開けてちょうだい。」
気づけば自分たちが並んだ時よりも長蛇の列が後ろに続いている。
「ありがとうございました」
「いいえ、イケメンのお客は歓迎よ。」
誰に対して云ったのか、アレルはぽかんとしたが
他の二人のことだと合点し、規定より上乗せした
代金を袋ごと置いて、感謝の意を表じ、その場をそそくさと立ち去った。
「さーて、とりあえず酒場だ酒場!」
「あんまり飲むなよ、リンガイアの酒が旨いからって」
「俺は成人してねーしな。」
「そんなの俺だってしてねーよ」
「え?」
ゼイラは14歳。出身国シャハンの法律では
15歳が成年とされる。
「エドワーズって成人何歳?」
「16」
「え?フォースって17,8くらいだろ?」
「いや、13」
「えー!年下だったのか!?」
そう云われれば、言動は子供っぽいし
年の割に妙にはしゃぐ奴だとは思っていたが。
ゼイラはフォースが年下だったことに
ずいぶんなショックを感じた。
フォースのやたら高い身長にだまされた。
「俺ってちびっこだな…まぢ身長欲しい」
そんな情景をにやりと眺めるアレル。
「じゃあ、おこちゃま二人はノンアルエールでも飲んでな」
「ちぇ、大人はいいよな…」
フォースとゼイラのふたりは
アルコール飲んでない割にハイテンションで
いろいろな話をしだした。
若いっていいな…
さほど年齢の違わなさそうに見えるアレルだが
ひとり大人の目線で場を楽しんでいた。
夜も更け、酒も飲んでないのに酔いつぶれたかのように寝た
ゼイラをよそに、アレルはフォースのこれまでの
身の上話の聞き役にまわり、いつのまにか
真夜中をだいぶ過ぎた時間になっていた。
「出身はエドワーズじゃくてザイツなんだ」
「母親が病弱だったからこう見えて苦労してるんだぜ」
「これは形見の指輪。俺が10の時に死んじまってさ。」
「エドワーズに来たのはそれからなんだ。
密航して偶然着いたのがエドワーズだったわけ」
「盗賊団にはアップの実盗んだときに
捕まったのを助けてくれてさ…」
デデッポッポー
とキジバトの鳴き声が響きはじめ、
夜明けがもうすぐ来ることを知らせている。
×印の場所に何が待っているか。
朝が来る前に、ゼイラを担いで
宿屋に向かい、昼過ぎまで寝ようか…
お楽しみはこれからだ。
第3話 終わり、 第4話に続く
***
占い師サザン登場の回でした。
ピンク色の髪と小柄な容姿が特徴の
女性です。
らくがきより、こんな感じ。
次回も外国に飛び出していくアレルです。
事情により一人旅になりそう…