そもそも、なぜフォースがパーティーに加わったのか。
それは、盗賊団の鉄の掟のひとつ、
「盗賊団に不利益を働いたものは追放」
という文言のためであった。
今回、結果はどうあれ、アレルとゼイラのルアーガの
民を盗賊団のアジトに連れてきたことがこれにあたる。
アレルは追放されるフォースの身受けを申し出た。
軽業と、その独特の人を引き付ける容姿。
そして、人と打ち解けるのが早い順応性。
充分身受けに値する人材である、との判断だ。
アレルは、その美しい金の瞳が髪にかくれるのが勿体ないと
これからは出していけとフォースに命じ、
赤いヘアバンドを与えた。
「これが、見受けの条件だ、いいな?」
「へーへー、アレルさまの言うとおりにいたします」
フォースは、渡されたヘアバンドを
おでこのあたりにくるよう、
少しナイフで切れてしまった前髪を
引き上げて身に着けた。
これから、何をしていくべきか。
アレルは今、行動指針を求めていた。
早速フォースをルアーガから
遥か北の都市、リンガイアに送り、
占い師の情報を探らせる任務につかせた。
リンガイアは人口も多い大都市であり、
それでいて魔法や占いが活発で
いろいろな口伝が伝えられる歴史ある国である。
人はリンガイアを「魔術都市」と呼ぶ。
フォースは一番当たるという噂の占い師の情報を仕入れ、
それを伝書鳥でアレルに伝えた。
現地に、急ぎフライドラゴン(飛龍)で現地に向かう
アレルとゼイラ。
「やっぱ上空は寒いな!」
フライドラゴンの背の鞍ににふたりつかまったアレルとゼイラ。
「もうちょっとこっちに寄れよ、あっためてやるからさ。」
「ああ、」
ちょっと照れるゼイラとそんなことお構いなしのアレル。
アレルは、ゼイラの肩をぐっと引き寄せ、
自分の腕と胸で包んだ。
「よくもまあ、こんな照れることをスマートにやるよな…」
小声で呟く、ゼイラ。
「なんか言ったか?」
「な、なんでもねーよ!」
ゼイラは全く照れる風もないアレルの腕の中で
一人心拍数が上がるのを感じた。
だんだん、ルアーガとリンガイアのある陸地の間にある、
アデフのある陸地が見えてきた。
ここまでくると、リンガイアは近い。
飛龍のそばに、海を飛ぶカモメが平行して飛んでいる。
旅の気分は心拍数とともに上昇中。
これから会う占い師は、はたしてどんな人物であるか?
胸弾ませるゼイラであった。
陸地が近くなり、ウミネコのニャーと鳴く
声が聞こえてきた。
リンガイアはすぐそこだ。
第3話 ヘアバンドの男① おわり ②へ続く…
***
絵で描けないのが残念なシーンもありつつ
文章のほうがやはり伝えやすい部分もあったりと。
物語は仲間集めの章に入ります。
これから、物語を彩る新たなキャラクターを
増やしつつ進みます。
とりあえず、占い師がどんな人物であるか
おたのしみに!

会報、SAGAより、
左からフォース、アレル、ゼイラの3人。