<意識>とは何だろうか (A-15a) | 松野哲也の「がんは誰が治すのか」

松野哲也の「がんは誰が治すのか」

治癒のしくみと 脳の働き

 プリンストン大学・工学部長のロバート・ジャンは、1970年代に PEAR (プリンストン大学工学部・変則現象研究)というプロジェクトを立ち上げました。意識が機械の働きに影響を及ぼすかどうかを調べるためです。彼が設定した装置は、REG

 (ラムダ・イベント・ジェネレーター)と呼ばれる電子的な雑音源によって駆動されるものでした。具体的には、自由電子が起こす微細なうねり、いってみれば、ラジオのダイアルが、ある放送局と別の放送局との間にあるときに聞こえるホワイトノイズのようなもので制御され、ランダムに変化するプラスとマイナスのパルスを発信する装置です。それはコンピュータによるデータ管理システムによって、全時間のほぼ50%がオンかオフ、すなわち0か1のどちらか一方を、確実に発信するよう制御されていました。

 

 実際の実験はいたって簡単です。被験者は次のようなことを行います。まず、0が1よりも多くでるよう念じます。つぎに、1が0よりも多くでるよう念じます。最後に、機械には何も影響を与えないよう念じるのです。

 

 5000回のテストの集計は、普通の人々からなる被験者の意思の方が、装置のランダムな動作に何らかの影響を与えていることを示すものでした(1)。

 

 

 この実験はその後、ランダムに作動する色々な機械的、光学的、電子的装置を使って行われました。のべ12年間、約250万回の試行の結果、何もしない平均値である50%に対し52%と, 2%意図した方向に偏っていました。また、被験者の3分の2近くが、装置の信号に意図したとおりの影響を与えることができることがわかりました。どの種の装置でも結果は同じでした。被験者が0か1のどちらかがでるように念じるかぎり、それに有意な影響を与えていたのです(2 )。

 

 

 

 もし現実が、意識とその外界の環境との間の何らかの複雑な相互作用によって生じるものならば、物質を構成する粒子と同様、意識もまた、確率的で不確定な働きを基盤にもつのかもしれません。そして、私たちは、どのような障害物や距離をものともせずに、物理的世界と情報を交換したり相互作用できる可能性をもつことが考えられるのです。

 

 

 

1) R.G.Jahn et al., "Correlations of random binary

  sequences with presented operator intention: 

  A review of a 12-year program" 

    Journal of Scientific Exploration 11: 345-67 (1997)

2) R.G. Jahn and B.G. Dunne "Margins of Reality: The

    Role of Consciousness in the Physical World"

    (Harcourt Brace Jovanovich)