ホテルマンは3年で辞めました【あとがき】 | SHOW-ROOM(やなだ しょういちの部屋)

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 2024年6月の時点で、ホテル業界は円安も追い風となりインバンド相手に売り上げ、客室単価共に盛り返して来ている。


盛り返しているとは、コロナ禍で経営危機にまで陥った時期もあり、それにより沢山の貴重な人材も失った事に対してのこと。


俺はコロナ禍になる前から、とあるホテルで暮らしていた。


それが半年くらい経った正月明けにコロナウイルスの流行が始まると同時に、昨日までフロントに立っていた中国人スタッフが消え、更に半年経つとそのホテルはコロナウイルス感染者の療養施設として使われる事になった為、俺は支配人から近くにある同グループのホテルに案内され、クオカードまで頂き景色の良い部屋を確保して頂いた。


その支配人をはじめとしたそのホテルスタッフも一緒に移った事で、新たなホテルに移った不安は無かった。


その移った先のホテルは全室禁煙だった為、タバコを吸う時は喫煙所まで下りて行かなければならなかったが、その度に以前のホテルスタッフと顔を合わせ挨拶を交わすのが嬉しかった。


コロナウイルスはどんどん感染者を増やし、ホテル経営者としてはリストラも行なったのだろう。


気づくと何人かの馴染みのスタッフがいない。


そんな時期に政府が行ったGOTOキャンペーンは、客の俺から見てもフロントスタッフが大変な苦労をしているのが分かった。


ホテル側にキチンとした説明も無いまま始めてしまうのだから、手続きの仕方を早急に把握し、それを更に分かりやすく客に説明しなければならないのだから、チェックイン時にフロントカウンターでは異常な行列となっていた週末。


人員を削除していた時期にそれは無いだろうと、客でありながら政府に憤りを覚えた俺だった。


客室単価も下り続けマンスリーキャンペーンというのがあった時期には、30泊10万円という月もあり俺としては嬉しかったが、あの帝国ホテルまで30泊30万円というキャンペーンを行ったのだから、ホテル側としては苦肉の策だっただろうしそれだけ異常な時期だった。


客単価を低くした事で客のレベルも低下し、それまで築き上げて来たホテルのステータスを守っていくのも大変だった時期を、必死に耐えて頑張り抜いて来たスタッフ達を俺は知っている。


今はホテルを換えているから感謝を込めて名前を出させて頂くが、その当時に俺が利用させて頂いていたのは伊勢佐木町ワシントンホテルと桜木町ワシントンホテルです。


こちらのホテル、特に伊勢佐木町ワシントンから勤務しているフロントスタッフの皆さんは本当に頑張って頑張って今に至っています。


俺がサービス業を好きでいられたなら、こういうホテルで働きたいと思っていたでしょう。







〜またいつか〜