大人。 | SHOW-ROOM(やなだ しょういちの部屋)

SHOW-ROOM(やなだ しょういちの部屋)

芸能事務所の実録長編小説「夢に向かって!」その為短編2冊が電子書籍にて絶賛発売中!
https://bookwalker.jp/search/?qcat=&word=%E7%B0%97%E7%94%B0%E5%8B%9D%E4%B8%80&x=0&y=0

もう、あっという間に大人になった。

あっという間に年をとった。

子供から見れば、もう本当におじさんだろう。

でも、未だどこの子供にも「おじさん」と呼ばれたことがない。

未だ「おにいさん」だ。(ちょっと自慢)

だが、確実に年をとっている。

中身は子供のままの自分だから、自分で自分の年が信じられないわけだ。

俺が子供の頃、マンションの駐車場で壁を相手にボールを投げて野球の練習をしていると、必ずキャッチボールの相手をしに出て来てくれた大人が同じマンションに2,3人いた。

その中でも、当時30歳で少女マンガ「りぼん」の表紙などを手掛けていたデザイナーのおじさんは、後楽園球場にプロ野球の観戦に連れて行ってくれたり、夏はプールにもよく連れて行ってくれた。

俺が夜独りで留守番をしている子供だと知っていたので、時には「恐怖のカレー作ったから食べに来るか?」と言って、よく晩ご飯にも誘ってくれる優しいおじさんだった。

当時は自由ヶ丘、奥沢界隈にも空き地がいっぱいあって、友達と材木やとたんを集めて基地を作って遊んだりできた時代。

最近では、親子でキャッチボールする光景も見なくなった。

今の親子は家の中でゲームなのかな。

ある時、友達と駒沢公園の売店でジュースを買おうとした時、俺が千円札で支払おうとしたら「お釣り細かいのがないのよ~」と、売店のおばちゃんに言われてジュースを買えずに困っていると、体育館で何か競技をしていたらしいジャージ姿の大学生のお兄さんが「ぼく、ジュース欲しいのか?ちょっと待ってて!」と、体育館に戻って自分の財布を取って来てジュースを買ってくれた。

今思えば、周りにはたくさん優しい大人達がいたんだなって感じる。

果たして、俺はそういう大人になれているのだろうか。

ふと、そんなことを思う。



📙所ジョージさんの番組でVTR化された大人と子供の温かい物語📙