俺はある有名企業に面接に行った。
普通に面接が進み、俺はありのままを正直に話した。
「43歳位になった時、どうしていたいですか?」
ん?突然、こんな質問をされた。
「はあ、出来ることなら今の自分のプロダクションを安定させていたいですね。」
またしても正直に話した。
すると質問をした支社長は、うつむきながら目を細めてしみじみと言った。
「いいですね~、そういうの・・・・・。」
えっ?!俺は少々驚いた。
どうせ普通に笑われるかスルーされると思っていたからだ。
俺は採用となり、そこでバイトとしてお世話になってしまった。
その支社長、俺と会う度に「本業の方はどうですか~?頑張って!」と、いつも励ましの言葉をかけてくれていた。
そして、俺がそこを辞めるのとほぼ同時期に、その支社長も会社を辞めて何か事業を始めたとか。
やっぱり、普通のサラリーマンではなかったか。
普通のサラリーマンで終わるような人って、そもそも支社長まで上がる実力は無いし夢を叶えようと思ったことも無いから、人の夢をバカにするもんな。
いろいろあったが、我がノエルプロダクションも今年で25年目に突入した。
あっという間だったよ。
📙29才の時、資金も無いのに芸能事務所を立ち上げ波乱万丈な日々を赤裸々に綴った小説📙