前回の続きです。
2014年度においての貸与月額は
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国公立 |
私立 |
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自宅通学 |
自宅外通学 |
自宅通学 |
自宅外通学 |
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第一種奨学金 |
45,000円 |
51,000円 |
54,000円 |
64,000円 |
第二種奨学金
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30,000円・50,000円・80,000円・100,000円・120,000円のいずれか。大学院は15万円まで、法科大学院は22万円まで。 |
となっています(第一種奨学金は30,000円を選択することも可能)。
例えば、
自宅から国立大学に通う大学生の場合、毎月4万5,000円借りたとします。
大学卒業後に14年かけて毎月1万2,857円ずつ返還したとすると、現役ですぐに払い始めて37歳で終了です。
第二種奨学金を毎月10万円借りるとします。
貸与総額480万円 貸与利率上限3.0% 返還総額6,459,510円
月賦返還額26,914円 返還年数20年とすると、すぐに払い始めて
43歳
2012年3月貸与終了者の貸与利率 利率固定方式1.08%
貸与総額480万円 貸与利率1.08% 返還総額5,364,513円
月賦返還額22,351円 返還年数20年とすると、すぐに払い始めて
43歳
また、奨学金の延滞金は年利10%です(2014年度分からは年利5%に改正されています)。
延滞金発生後の返済では、お金はまず延滞金の支払い、次に利息、最後に元金に充当されますから、返済を怠った人は、なかなか元金が減らないことになります。
2010年度の利息収入は232億円、延滞金収入は37億円にも達しています。よく、「返済をしてもらわないと、今から奨学金を受け取る世代が困ります」と言われますが、利息収入、延滞金収入は経常利益に計上され、原資とは関係が無いところに行きます。これらのお金の行き先は銀行と債権回収専門会社(サービサー)です。
2010年度期末で民間銀行からの貸付残高は大体1兆円で、年間の利払いは23億円です。同年度、約5万5,000件を二社のサービサーに委託しています。サービサーは16億7,000万円を回収していて、そのうち1億400万円が手数料として支払われています。
現在、奨学金の返済で困っている方も多いと思います。日本学生支援機構は延滞金の減免などには応じないので、なかなか大変ですが、あなたの近くには相談できる弁護士や司法書士がいます。ご相談していただければと思います。