昨日に引き続き、会社法制の見直しに関する要綱案についてです。
社外取締役及び社外監査役に関する規律
(1)親会社等の関係者の取扱い
① 社外取締役の要件に「株式会社の親会社等又はその取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと」を追加するものとする。
② 社外監査役の要件に「株式会社の親会社等又はその取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと」を追加するものとする。
(2)兄弟会社の関係者の取扱い
社外取締役及び社外監査役の要件に、それぞれ、株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人でないこと」を追加するものとする。
(3)株式会社の関係者の近親者の取扱い
① 社外取締役の要件に「株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は2親等内の親族でないこと」を追加するものとする。
② 社外監査役の要件に「株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は2親等内の親族でないこと」を追加するものとする。
※社外要件に、重要な取引先の関係者でないことを加えることはなくなりました。
上記の追加された要件は、一見分かりにくいですが、影響が大きいと思われるのは、
「親会社の取締役は子会社の社外取締役になれない。」
「親会社の取締役が子会社の監査役にはなれます」が、「親会社の取締役は子会社の社外監査役にはなれない。」ということです。
上記の要件は「現在要件」ですが、「過去要件」は若干緩和されました。
(1)社外取締役
① 対象会社又は子会社の「業務執行取締役」「執行役」「支配人その他の使用人」であった者は社外取締役になれませんでしたが、その「就任の前10年間」株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないことを要する……と緩和されます。
② その就任前10年内のいずれかの時において、株式会社又はその子会社の取締役(業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者を除く)、会計参与又は監査役であったことがあるものにあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないことを要する。
(2)社外監査役
① 対象会社又は子会社の「取締役」「執行役」「会計参与」「支配人その他の使用人」であった者は社外取締役になれませんでしたが、その「就任の前10年間」株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないことを要する……と緩和されます。
② その就任前10年内のいずれかの時において、株式会社又はその子会社の監査役であったことがあるものにあっては、当該監査役への就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないことを要する。
※(1)②も(2)②も、一見しただけでは分かりにくいのですが、事例をあげると、こうなります。
平成12年11月~平成13年10月…使用人(あるいは業務執行取締役)
平成13年11月~平成24年10月…監査役
であったAさんは、(1)②(2)②があるので、社外取締役にも社外監査役にもなれません。
また、
平成10年11月~平成14年10月…使用人(あるいは業務執行取締役)
平成14年11月~平成20年10月…会社とは一切関係なし
平成20年11月~平成24年10月…監査役
であったBさんも(1)②(2)②があるので、社外取締役にも社外監査役にもなれません。
以上のように、社外かどうかの判断については厳しくなるのですが、一方で、責任限定契約を締結できる範囲は広がります。
今までは責任限定契約を締結できるのは社外取締役、社外監査役のみでしたが、改正要綱案では、「業務執行をしているか否か」で決まります。「業務執行をしていない取締役」及び「すべての監査役」が責任限定契約を締結することができるようになります。
改正会社法案では