誤訳も多々あると思いますが、とりあえず。
MKウルトラ計画は、CIAマインドコントロール計画とも言われており、アメリカ中央情報局によって設計・実施された時に違法行為も厭わぬ人体実験プログラムにつけられたコードネームをいいます。
人間にたいする実験では、マインドコントロールを用いて自白を強制し、個人を弱体化するために尋問に使用される薬物や手順を特定し、開発することを目的としていました。
このプロジェクトはCIAの科学情報局を通じて組織され、アメリカ陸軍生物兵器研究所と共に行われました。
薬物関連の実験のための他のコード名はブルーバード計画、アーティチョーク計画などがあります。
※ アーティチョークはキク科の多年草で和名は朝鮮薊
この作戦は1953年に正式に認可され、1964年に範囲が縮小され、1967年に更に縮小、1973年に正式に停止されました。
このプログラムは、無自覚の被験者であるアメリカとカナダの市民にたいするもの含めて違法行為にも関与していました。
MKウルトラ計画は被験者の精神状態と脳機能を操作するために多くの方法を用いました。
技術的には、高用量の向精神薬(特にLSD)や他の化学物質の秘密の投与、電気ショック、催眠術、感覚遮断、隔離、口頭および性的虐待、ならびにその他の各種拷問などがありました。
MKウルトラ計画の範囲は広く、大学、病院、刑務所、製薬会社など80を超える機関で研究が行われていました。CIAはフロント組織を使用して運営していましたが、これらの機関の最高幹部はCIAの関与に気が付いていました。
MKウルトラ計画は、1975年にアメリカ合衆国議会の教会委員会と(ロックフェラー委員会として知られる)ジェネラル・フォードの米国内のCIA活動に関するアメリカ大統領委員会によってはじめて世間に注目されることになりました。
調査は1973年にすべてのMKウルトラファイルを破棄するというCIA長官のリチャード・ヘルムズの命令によって妨害されました。
教会委員会とロックフェラー委員会の調査は、直接参加者の宣誓証言と、ヘルムズの破壊命令を生き延びた比較的少数の文書に依存しています。
1977年、情報公開法の要請により、MKウルトラ計画に関する2万にもおよぶ文書が明らかになり、その年の後半に上院の公聴会が開かれました。
MKウルトラ計画に関するいくつかの生き残った情報は2001年7月に機密解除されmした。
2018年12月、機密解除された文書には、リモートコントロールと脳インプラントを介して走ったり、向きを変えたり、停止したりする6匹の犬の作業について話し合う正体不明の医師への手紙などが含まれていました。
背景
暗号名の起源
プロジェクトの意図的にあいまいにされたCIA暗号名はダイグラフ「MK」で構成されています。プロジェクトは機関の技術サービススタッフ(TSS)によって後援され、かつて第二次世界大戦のインテリジェンスの最も秘密である分類を示すために使用された「ウルトラ」が続きます。
他の関連する暗号名にはMKナオミ計画、MKデルタ計画などがあります。
プロジェクトの起源
著者のスティーブン・キンツァーによるとCIAプロジェクトは「第二次世界大戦時の日本の施設とナチスの強制収容所で人間の心を鎮圧し制御するために始められた作業を継承した」ものとあります。
キンツァーは、MKウルトラ計画が無意識の被験者にメスカリンを使用することは、ナチスの医師がダッハウ強制収容所で始めた慣習であるとしています。
キンツァーは数千にもおよぶ人体実験を続けたナチスの拷問者と生体解剖学者をCIAが秘密裏に引き抜いたこと、そして彼らがメリーランド州フォートデトリックにサリンガスを持ち込み、CIA職員に致命的なその使用を教えたことを例に挙げ、CIAがナチスのアジェンダを継承したことを証拠として提示しています。
目的と指導者
この計画はシドニー・ゴッドローブによって進められましたが、1953年に4月13日のCIA長官アレン・ダレスの命令により始まりました。
その目的は朝鮮戦争の期間にソヴィエト、中国および北朝鮮がアメリカの囚人におこなったマインドコントロールに対し、ソヴィエトブロックに対して使用するマインドコントロール用の薬物開発でした。
CIAは彼ら自身の捕虜に同様の方法を用いたいと考えており、その技術で外国の指導者を操作することに興味をもっており、フィデル・カストロに薬物投与するいくつかの計画も考案されていました。
被験者が知らないうちに合意なしで実験がなされることが多くありました。
学術研究者はCIAのフロント組織からの助成金によって資金提供されていましたが、CIAがこれらの目的のために彼らの仕事を利用していたことに気がつきませんでした。
このプロジェクトは、冷戦中にソヴィエトのスパイ容疑者を尋問するための完全な自白剤を製造し、マインドコントロールの他の可能性を探究しました。
サブプロジェクト54は、海軍の極秘の「パーフェクト脳震盪」計画であり、記憶を消去するために耳下周波ブラストを用いることが試みられましたが、計画は実行されませんでした。
多くのMKウルトラ計画の記録は、1973年にCIA長官のリチャード・ヘルムズの命令によって破棄され、MKウルトラおよび関連するCIAの計画が後援する150を超える資金提供を受けた研究サブプロジェクトを調査員が完全に把握することは困難でした。
このプロジェクトはアメリカが核兵器の独占を失い、共産主義への恐怖が絶頂に達したときに、ルパート・コーンウェルがCIAで「パラノイア」と表現した時期に始まりました。
CIAの防諜責任者であるジェームズ・ジーザス・アングルトンはスパイが最高レベルで組織に侵入していたと信じていました。
CIAは心に影響を与えてコントロールし、尋問中に抵抗力のある被験者から情報を引き出す能力を強化する方法を調査する研究に数百万ドルをつぎ込みました。
一部の歴史家は、MKウルトラ計画および関連するCIAプロジェクトの一つの目標は『影なき狙撃者』型の人間を作り上げることだったと主張しています。
アルフレッド・マッコイはCIAがメディアの注目をこれらの「馬鹿げた」計画に集中させようとしたので、一般の人々が調査の主要な目的である尋問の効果的な方法を理解できないようにしたと主張しました。
プロジェクトの規模
1955年のあるMKウルトラ計画の文書は、労力の規模と範囲を示しています。それは次に記述された精神を変える物質をそろえる研究でした。
1 受容者が公の場で信用を失墜させるほど非論理的な思考と
衝動性を促進する物質。
2 精神機能と知覚機能の効率を高める物質
3 アルコールの酔わせる効果を防止または打消す物質
4 アルコールの酔わせる効果を促進する物質
5 認識された病気の兆候や症状を可逆的に生成し、詐病などに使用できる物質
6 催眠術の誘発を容易にする、あるいはその有用性を高める物質
7 尋問やいわゆる「洗脳」の際に、個人がプライベートにおいて、
拷問や強制に対して耐える能力を高める物質
8 それらの使用前および使用中に出来事の記憶喪失を引き起こす物質および
物理的方法
9 長期にわたってショックと混乱を引き起こし、密かに使用できる物理的な方法
10 足の麻痺や急性貧血などの身体的障害を引き起こす物質
11 純粋な陶酔感を引き起こし、その後の失望を伴わない物質
12 受容者が他人に依存する傾向が高まるように人格構造を変える物質
13 尋問中に虚偽を維持することが難しいと思われる影響下にある個人が
精神的混乱を引き起こす物質
14 検出できない量で投与された場合、野心と一般的な作業効率を低下させる物質
15 視力または聴覚能力の衰弱またはゆがみを促進する物質で、
好ましくは永続的な影響がないもの
16 エアロゾルとして飲み物、食品、たばこなどに密かに投与できる
ノックアウトピルで、安全に使用でき、最大の記憶喪失をもたらし、
その場限りの錠剤タイプで使用に適したもの
17 上記の経路で密かに投与することができ、
ごく少量で身体活動を行うことができなくなる物質
アプリケーション
1976年の教会委員会の報告によると、MKデルタ計画では、「薬物は主に尋問の補助として使用されたが、MKウルトラ、MKデルタの資料は、嫌がらせ、信用の失墜、または無効化の目的でも使用された」とあります。
その他の関連の計画
1964年、MKサーチはMKウルトラ計画の後継としてつけられた名前でした。MKサーチ計画はMKOFTEN/CHICKWITと呼ばれる二つの計画に分割されました。
MKサーチ計画への資金提供は1965年に始まり、1971年に終了しました。この計画は無力化ガスに焦点を当てた新しいオフェンシブ・ユース・エージェントを見つけるためのアメリカ陸軍化学部隊とCIAの研究開発局との共同計画でした。
その目的は、生物学的、化学的、放射性物質システムの秘密使用における能力と、非常に敏感な操作要件をサポートする予測可能な人間の行動および生理的変化を生み出す技術を開発・試験・評価することでした。
1971年3月までに、2万6千を超える潜在的エージェントが将来のスクリーニングのために取得されました。CIAは、化学および生物兵器(CBW)研究のための鳥の渡りパターンに関心を持っていました。ペンシルベニア州立大学で「鳥の病気の研究」に指定されたサブプロジェクト139などがそれにあたります。
MKOFTENは、動物、そして最終的には人間における薬物の試験と毒物学的伝達性および行動への影響に対処することでした。
MKCHICKWITは、ヨーロッパとアジアでの新薬開発に関する情報の取得とサンプルの取得に関心を持っていました。