資料:藤原信孝著『国際共産党の話』1929年 昭和4年

 

 

 

 

 

フリーメイソンと共産主義・コミンテルンの関係について、私はこれまでも取り上げてきましたが、このような議論を始めて聞かれる方には、妄想か、もしくは都市伝説のように感じられるかもしれません。

 

しかし、日本が敗戦を迎えるまで、フリーメイソンと共産党・コミンテルンが深い関係にあるという議論は、当たり前のこととして議論されていたことです。

 

フリーメイソンと共産党が関係していることは、当時としては常識であり、現代日本の方こそが、メディアの洗脳工作のために、都市伝説か陰謀論という形でしか論じられなくなってしまったのである。

 

常識は学校とメディアで作られています。敗戦国の国民に誰が真実など教えるのでしょうか。考えてみて下さい。そもそも戦勝国の国民ですら、洗脳されて事実を知らないのですよ。

 

それでは戦前の資料を紹介します。

 

資料

 

第三インターナショナルとこれを指導する秘密結社フリーメイソン

 

 

 

 

前から第三インターナショナルのことを述べてきつつある間に、しばしば世界的秘密結社のことが引用せられていた。その秘密結社とはそもそも何であるかといえば、主にフリーメイソンである。

 

フリーメイソンは秘密結社のことであるから、なかなかその内容を剔抉してすべてこれを明るみに出すことは困難であるが、自分の知人であり学者である西洋の熱心なる研究者が苦心惨憺の末、取り出した秘密結社の決議をここに若干引用して第三インターナショナル■にその目的物たる世界革命といかなる関係があるかを明らかにして見よう。

 

1922年10月フランスの秘密結社グランド・ロッジというフリーメイソン結社決議録281ページに次の文句がある。

 

「かつて1789年のフランス大革命に最も大なる役割を演じたフリーメイソンはいつ何時にても起こるべき革命に幹部を供給する準備がなくてはならぬ。」

 

同上決議録の236ページに次のことが載っている。

 

「今日まで国家革命をもって人道のため尽してきたフリーメイソンは世界革命と称する一大革命をば成し遂げたいものである。この世界革命こそフリーメイソンの明日の事業である。」

 

大東社というフランスのフリーメイソン秘密結社の1920年ないし23年の発行にかかる文書の中に次のことがある。

 

「わたくしはすべてのことを超越しひたすら社会主義、民主主義、無宗教主義の大共和国につかえることをもって最後の目的とせねばならぬ。」

 

 

 

 

そこで世界革命とフリーメイソンの関係の一端はこれで解ると思うが、前既にしばしば述べたユダヤ民族とフリーメイソンとはいかなる関係があるか。

 

これは日本のフリーメイソン擁護者であった吉野博士などに言わせると、フリーメイソンとはユダヤ人とは何ら関係がないと断定をしているけれども自分が数年来研究した所をもってすればなかなか左様な断定はつかない。

 

むしろフリーメイソンとユダヤ民族との関係は切っても切れない関係に今日ではなっていると思われる。

 

第一インターナショナル創立の話のときに出てきたフランスのクレミューというユダヤ人は1860年に全世界ユダヤ同盟というものを作ったのであるが、これと同時にフランスの大東社という秘密結社の長となった。

 

また前世紀の終わりからずっと、フリーメイソンの中へ入ってかなり上の方までいってフリーメイソンに愛想をつかして脱退したフランスの教育家アルバンセリーという人の発表によればフリーメイソンもだんだん上の方に行くに従ってユダヤ人の数が多く実際はユダヤ人によって支配されているものと思う、ということになっている。

 

自分の研究した所によるとしたの方にはユダヤ民族以外の多民族がたくさんでむしろユダヤ人は少ないであろう、けれどもいわゆる牛耳はユダヤ人が執っているものと思われる。

 

それでこれらのユダヤ人以外のフリーメイソンは暗にユダヤ民族の実際の目的を擁護しつつあることになっていくのであって、この人たちの結社は極めて秘密を厳重に守っていくことから共産運動などというものについてもほとんど尻尾を出すということがない。

 

共産党狩りなどをやってもこの秘密結社狩りをやらなければ到底禍根というものは除けるものではない。

 

腫物の表面の方を切開して膿だけとった所でその根は剔抉してしまわなければ、いつまで経っても腫物はまた出来てくる。その根というものがなかなか奥深く一寸外面に現れないところに入っているのであるから、これを剔抉することは困難である。

 

このフリーメイソンが世界革命の一大動機であった所の世界大戦というものに対していかなる働きをしたかということを一つの事実について話をすれば、世界大戦の導火線たるオーストリアの皇太子フェルディナンド二世夫婦虐殺ということが最も注目すべきことである。

 

1914年6月28日ヘルツェゴヴィナのサラエボというところで上記の惨劇を演出した犯人は果たして何人であるかといえば普通発表せられてあるものにはセルビアの青年プリンツィプとしかない、けれどもその青年はフリーメイソン秘密結社員である。そうしてユダヤ人種に属するのである。

 

彼にブローニングというピストルを供給したりその他各種便宜を与えてやった男も同じくフリーメイソン秘密結社員である。この細部のことについてはオーストリアのウィヒテルという博士が『フリーメイソンと世界革命』という書物でかなり詳細にセルビア裁判所の記録まで引用して発表しているから、それによって承知をせられたい。

 

なおこのウィヒテル博士の発表によればフェルディナンド二世を殺すということは、1912年5月24日ドイツの秘密結社においてすでに決議になっていた。その実行は1913年に挙げるはずであったが、差支えのために14年に延びたのであるということになっている。

 

世界大戦の原因などというものも坊間発表されたところの普仏戦争のやり直し、英独の海上争覇戦、汎スラブ主義と汎ゲルマン主義との衝突などいろいろあるけれども、それは確かな部分的原因をなしているが、本当に纏まった原因については未だに解らない。

 

昨年イギリスの国際連盟担当であった、ロバート・セシル卿が議会で説明したところによれば、「世界大戦の真の原因はいまだに分からないではないか、いまだに分からないとすればまた何時左様な事で第二次世界大戦が起こらんとも限らないじゃないか」という警告を発している。

 

これはもっともなことであると自分も思う。おそらく本当の原因をあからさまにさらけ出すことは現在世界大戦の登場人物たるポアンカレ、カイゼル、ドイツの元宰相ベートマン・ホルウェッヒ、その他幾多の秘密結社関係の諸名士が棺を蓋ったあとでなければ真相は発表できまいと思う。

 

序で言っておくが、日本にも不幸にしてこの秘密結社フリーメイソンがもちこまれ、長崎・神戸・横浜・東京などにはしばしば会合があるということも聞いている。

 

日本には直接イギリス流にスコッチ系統から入ったフリーメイソンが多いのであまり悪辣な革命的秘密結社でないように説く人もある、すなわち相当なる財閥の人とか、あるいは顕官だった人あるいは学者代議士などにそういう人があって多くはイギリス流の古式な宴会とか、あるいは手振りや合言葉を用いてフリーメイソン兄弟たる会合をするだけで大した害をなすものではないとも説かれている。

 

しかしながら近年、さきに述べた大東社あるいはグランド・ロッジ方面から革命的気分を背負い込んできたひそかにこれを伝播しつつある人もなきにしもあらずと思う。

 

そもそもフリーメイソンの主義信条は、自由・平等・友愛ということを標語としモットーとし人類の一大団結を作ろうとする漠然たる理想であって、形においてはやや我が神武天皇の皇謨たる六合一家、八紘一宇を真似たような点もある。

 

けれども子細にこれを比較して研究すれば、フリーメイソンの方は虎を真似た猫にも及ばないような低級なものであると思う。そうしていわゆる秘密結社で暗から暗を渡って歩いているのであって、わが国の天照日のあかるい理想とは全然反対のものである。

 

自分は衷心からこれらの日本のフリーメイソンに既に入っている人たちがこれらをふりすてて、そうした真正の日本人に立ち返ってくださることを希望してやまないのである。

 

昔からよく一度フリーメイソンに入ったものはもしも脱退すれば命はない者、いつかどこかで解らないように殺される者であるということを言い伝えられていたけれども、この節ではそうでもないようである。

 

前述べたフランスの教育家アルバン・セリー氏はもうフリーメイソンを脱退して20年間盛んにフリーメイソンの内幕を暴露してこれと戦っているけれども、一向殺されそうにもない。気の弱いことをいわずにどんどん脱退をなさることをお勧めする。

 

 

コメント

 

1920年代には既にコミンテルンとフリーメイソンの関係性が指摘されていることがわかります。早いものであれば、1910年代から指摘してる著作もあるかもしれません。

 

同書では、フリーメイソンとコミンテルンの関係性をはっきりと証明する記述はありませんが、当時からその関係性が疑われていたということは特筆すべきです。

 

日本ではほとんど議論されませんが、海外ではフリーメイソンと共産主義の関係は繰り返し言及されてきたことです。

 

中国共産党の初期のメンバーである周恩来がフリーメイソンですが、彼が毛沢東と国際共産主義組織のパイプ役を演じていたと言われています。現に、ロックフェラーやキッシンジャーとの会談などにおいても周恩来が重要な役割を演じていました。

 

 

中国共産党を後援していたのはソ連はもちろんのことアメリカも一役買っていたわけです。アメリカは中国国民党ではなく、共産党を支援したのです。