「前の家族」
青山七恵
37歳、独身、小説家の藍は
理想的な中古マンションに出会い、購入に踏み切った
マンションの前の持ち主は
幸せそうな4人家族、小林家
しかし、入居後しばらくして
藍の周囲には異変が起こり始め…!?

新しい一戸建てを建ててマンションを引っ越して行ったはずの
前の入居者が、
主人公が買ったマンションに執着して戻ってこようとする話です
こっわ
こりゃ怖いわ
家を購入することでも、知らないエリアに引っ越すことでもない
単純にアタオカな人間たちに出会う怖さね
しかも、小林家のやり方が
強引に藍からマンションを奪うのではなく
小林一家は藍の生活に少しずつ少しずつ侵食してきて、
藍に親切にしまくり、小林家の一戸建てに招待して接待して住まわせて
自分たち無しでは生きられないようにするやり方
いや怖い
ってか、こんなやり方にはふつう引っかからない自信がある笑
距離ナシの人にはまず警戒するし
距離を置いたりハッキリ断ればいいだけだと思うんだが
藍は
なんとなく断れなくて…
とか、
優しくされて心地よくもある…
と、ずるずる流されて小林家に絡め取られてしまうんである
アタオカの怖さ、距離ナシの怖さだけでなく
自分自身にも無意識で備わってるかもしれない
無防備に人に寄っかかってしまう、人を信用してしまう
自分の心の弱さ、心のスキマに対する恐怖感もありますね
この本を読んでて、
ありえねー!ちゃんと小林家を断れよ藍!と思っていた私も
たとえばたまたますごく心と体が同時に弱っていて
そんな時にちょうどすごく親身になっていたわってくれる人が居たら
私だってよく知りもしない人に心酔してしまうことがないとは言えん…
どんなときも自分を強く持って!
心か体、両方かせめて一方だけはいつも健やかに強くいられるよう
気を引き締める思いとなりました笑
